前例なき原発廃炉、難航必至 燃料回収の技術なく
福島第1工程表

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2011/12/21付
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政府と東京電力は、21日に公表した福島第1原子力発電所の廃炉に向けた工程表で、通常の原発と同じように最終的には建屋を解体し更地にすることを目指すとした。ただ、炉心溶融(メルトダウン)した原子炉は核燃料が溶け落ちており、その回収方法も決まっていない。作業現場の放射線量は高く、人が近づけない場所も多い。前代未聞の「負の工事」は一から始めなければならない課題が山積で、難航するのは必至だ。

政府は今月16日に福島第1原発が「冷温停止状態」になったことを確認、「事故は収束した」と宣言した。このため、新工程表の最終目標は廃炉に変わった。今後の工程を「第1期(2012~13年)」「第2期(14~21年)」「第3期(22~51年)」の3段階に分けた。従来の中長期目標(ステップ3)にあたる。

工程表を達成する上で、最大の焦点となるのが原子炉からの核燃料の取り出しだ。そのためにはまず、炉内の状態をきちんと把握しなければならない。

東電は先月30日、1~3号機の核燃料の大半が圧力容器から溶け落ち、格納容器のコンクリート床を侵食していると発表した。しかし、これはあくまで水位計データなどをもとにコンピューターで解析した推定の姿にすぎない。

溶融燃料を回収するには、燃料がどの位置にどんな状態であるのかを正確につかむ必要がある。格納容器の下部を水で満たして放射線を遮蔽したうえで、カメラを入れて調べる。

ただ、格納容器周辺の放射線量は高く、人が長期間作業するのは当面困難。実際、工程表でも燃料状態の把握調査は18年以降とした。

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