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福島3号機、蒸気放出見合わせ 圧力が一時上昇

放射性物質飛散を警戒

東京電力福島第1原子力発電所では、20日も緊迫した状況が続いた。19日から20日にかけて地上からの大量放水が続く3号機では、格納容器の圧力が一時高まり、不安定な状態は変わらない。減圧するには外部へ蒸気を逃がさなければならないが、これまで以上の放射性物質が漏れ出る恐れもあり、蒸気放出に踏み出すことは難しい。

福島第1原子力発電所の現状と対策
号 機
(地震発生
時の状態)
使用済み
核燃料プール
圧力容器格納容器電源接続
1号機
(運転中)
不 明
(計測不能)
燃料棒の冷却できず。海水注入、水蒸気放出維 持19日午後完了
2号機
(運転中)
不 明
(計測不能)
圧力抑制室が損傷?
3号機
(運転中)
水位低下で放射性物質が漏れる危険。17~20日に放水圧力上昇し、減圧措置を再び検討21日にも完了
4号機
(定期
検査中)
16日に燃料棒が隠れる程度の水を確認。20日に放水燃料棒なし維 持
5、6号機
(定期
検査中)
冷却機能が回復し、水温が正常の状態安全な状態維 持20日午後完了

地震時の緊急停止後から冷却機能が働かない1~3号機は、消火ポンプを使って圧力容器内に海水を送り込む非常手段を継続している。1、2号機は外部電力の供給が可能となり、冷却機能の回復に道筋が開けてきた。ただ、3号機は地上からの放水が続けられ、この間、電源をつなぐ作業が中断し、電源の確保が最も遅れている。

東京電力によると、3号機の格納容器の圧力は20日の朝から急速に上昇し始めた。放水を終えた後、炉内の水位を確保しようと消火ポンプで送り込む海水の量を増やした影響とみている。放水で格納容器内に流れ込んだ水が内部の熱のため蒸発した可能性もあるが、「放水との関係は極めて低い」(東電)とみている。

 格納容器は圧力容器の外側にある重要な防護壁で、3.84気圧を上限に設計されている。格納容器を守るためには内部の蒸気を放出するなど減圧しなければならないが、同時に格納容器内に閉じ込められた放射性物質を外部に飛散させる危険も伴う。

フィルターなどの除去設備を活用すれば放射性物質の飛散も大幅に抑え込めるが、現在の3号機では難しそう。京都大学原子炉実験所の宇根崎博信教授は「(水を通さず外部に蒸気を逃がすと)放射線量は数十倍の単位で増える恐れがある」と指摘する。

上昇した圧力はその後安定し、圧力を下げる緊急性は薄れている。東電や原子力安全・保安院は、蒸気を放出する作業は当面見送りたい考えだ。

3号機では圧力容器内の温度が一時セ氏3百数十度と、停止しているにもかかわらず、通常の運転時の280~290度よりも高かった。自衛隊ヘリコプターによる20日午後1時の上空からの測定結果でも、格納容器の上部が128度と高温。大量放水が続いているが、使用済み核燃料プール上も62度あった。継続して地上から冷却しなければならない状況は変わっていない。

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