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原子力機構、内向き体質変わらず 理事長辞任

高速増殖炉原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)で1万点近い点検漏れが発覚した不祥事を受け、日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長の辞任が決まった。原子力機構の前身は、事故のデータ隠蔽など数々の不祥事を起こし解体された旧動力炉・核燃料開発事業団。引き継ぐ組織も体質は変わらず、日本の原子力研究の要を担う機関として抜本的な改革を迫られる。

昨年12月、点検先送り問題の処分を受けるために原子力規制庁を訪れた鈴木理事長は「形式的なミスはやむを得ない」などと法令順守を軽視するような発言を連発。「あまりにも不適切」と規制庁の池田克彦長官を激怒させた。

旧動燃はプルトニウムを燃料とする高速増殖炉を開発・運営するために1967年に設立された機関。日本の安全保障政策ともからみながら、世論の批判の矢面に立ってもんじゅを運営してきた。こうした事情から長年にわたり内向きの隠蔽体質が染みついたともいわれる。95年のナトリウム漏れ事故では幹部らによる隠蔽工作が発覚した。その後も不祥事が相次ぎ、改組に至った。

だが2010年8月に機器を炉内に落とす事故を起こした際にも政府への通報が遅れるなど、動燃を引き継ぐ原子力機構でも組織のトラブルは相次ぐ。初の研究者出身となった鈴木理事長は旧原子力安全委員長だが、改革はできなかった。

東京電力福島第1原子力発電所の事故を経て日本の原子力研究は大きく様変わりしている。原子力機構には原子力安全や廃炉の技術開発など多額の予算がつき、「焼け太り」の批判もある。トップをすげ替えるだけでは変わらない。原子力の研究者ひとりひとりの意識改革なしでは、日本の原子力研究は将来に遺恨を残す。

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