2019年4月23日(火)

福島第1原発、瀬戸際の注水 燃料棒露出続く

2011/3/16付
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東京電力福島第1原子力発電所で、事故の連鎖が止まらない。炉心内の燃料棒が露出した1~3号機では、冷却用の海水を注ぐ作業が進む。いずれも水位の回復を示唆するデータもあるが、安定していない。2号機は格納容器の一部も破損している。同原発6機すべてで使用済み燃料の過熱対策も迫られ、最悪を想定したぎりぎりの対応が続く。

東京電力によると、燃料棒を覆う金属の一部に穴や亀裂が入るなどした割合が1号機は全体の約70%、2号機は33%に達した。格納容器内の放射線量を測り、通常運転時と比べて、燃料棒がどれぐらい傷んでいるかを推定した。3号機は、測定器が壊れているため損傷の程度が分からない。

1~3号機とも燃料が過熱して損傷するのを防ぐため、消防車のポンプを使って海水を注入している。

いずれも水位計は16日午後2時の時点で、燃料棒の半分から3分の2が水につかっているデータを示す。

ただ経済産業省の原子力安全・保安院は、水位計の値が変動しないことから、水位計が壊れている可能性を指摘。水位が安定して保たれているか分からないのが実情だ。

冷却水から燃料棒が露出したままでは、高温で燃料が溶け出す懸念がある。燃料棒の周りは圧力容器や格納容器が取り囲んでいる。容器などが破壊すると、大量の放射性物質が外部にまき散らされる恐れがある。

東電は外部電源を確保するための送電線の設置に向け準備をしている。緊急炉心冷却装置(ECCS)などの冷却系統を復活させ、冷温停止状態にもっていくことを目指す。

仮に送電線を敷設し、外部からの電源が復旧しても、実際に冷却するための設備が動くかどうかが次の課題となる。

第2原発の場合、外部電源は保たれていたが、海水を取り入れて冷却用の水を冷やすためのシステムが破壊されていた。この復旧ができたことで、第2原発ではすべて冷温停止ができた。

同じように第1原発を復旧できるかは「周囲の放射線量が作業員が近づくには高すぎる」(東京電力)ことが問題になっている。放射線量は16日、正門付近で毎時10ミリシーベルトを記録。送電線の敷設を始めるめどは立っていない。

第1原発では、放射性物質の放出を防ぐ、格納容器や原子炉建屋も損傷している。15日早朝、2号機の圧力抑制室で、気圧が3気圧から大気圧まで下がった。格納容器の一部である圧力抑制室が破損したとみられている。

1号機、3号機、4号機では原子炉建屋内にたまった水素が爆発している。壁面パネルが外れるなどして大きく破損した。

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