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放射線の監視を強化 測定値公表、健康被害の懸念なし

東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、文部科学省は16日、全国47都道府県の大気中にある放射線の測定結果の公表を同省ホームページ(http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/)で始めた。16日午前中には東日本各地で平常値よりも数倍から30倍近くまで上昇したが、夕方には一部を除き平常値に戻った。いずれも健康被害につながるレベルよりもずっと少ない値だ。

各地の放射線量(単位はマイクロ<マイクロは千分の1ミリ>シーベルト毎時)
観測地点3月16日
午前8~
9時時点
3月16日
午後4~
5時時点
平常時
北海道札幌市0.0280.0270.02~0.105
宮城県仙台市0.1600.1530.017~0.051
山形県山形市0.0730.0570.025~0.082
茨城県水戸市0.9620.2520.036~0.056
栃木県宇都宮市0.3370.2150.030~0.067
群馬県前橋市0.1270.1100.017~0.045
埼玉県さいたま市0.0940.0680.031~0.060
千葉県市原市0.0970.0410.022~0.044
東京都新宿区0.0890.0540.028~0.079
神奈川県茅ケ崎市0.1390.0560.035~0.069
愛知県名古屋市0.0400.0400.035~0.074
大阪府大阪市0.0430.0450.042~0.061
福岡県太宰府市0.0360.0360.034~0.079

各都道府県の平常値は毎時0.01マイクロ(マイクロは1000分の1ミリ)シーベルト~0.1マイクロシーベルト。

16日に福島第1原発3号機で白煙が確認された午前8~9時の値で最も高かったのは茨城県の同0.962マイクロシーベルトで、平常値の26倍。宮城県や栃木県、群馬県でも10倍近かった。東京都や神奈川県など首都圏でも数倍程度。ただ午後4~5時には最大の茨城県でも同0.252マイクロシーベルトに下がり、各地も減少傾向にある。

近畿地方や中国、四国、九州地方の各府県では、平常値と変わらないところが多かった。福島県では計測機が壊れ、数値を公表できないという。

東海村のJCO臨界事故で被曝(ひばく)者の治療にあたった前川和彦・東京大学名誉教授は「(現在の数値だと)健康被害は全く心配ない」と指摘する。

 各地の放射線量は、放射線を出す放射性物質が風に乗って拡散したと考えられる。風速や風向によってたどり着く量は異なる。東京都市大学原子力研究所の松本哲男教授は「(測定値が)一時的に上昇しても、時間がたつと下がる」と話し、原発から一定量の放射性物質が常に出続けているわけではないとみている。

福島第1原発では15日に3号機そばで毎時400ミリシーベルト、16日には正門付近で最大で毎時10ミリシーベルトを東京電力が計測した。この時の放射線量の単位はミリシーベルトで、今回、各自治体で観測されたマイクロシーベルトの千倍にあたる。一般の人が浴びる放射線の限度量は自然の放射線や医療用X線などを除いて年1ミリシーベルト。東京で午後4~5時に計測された毎時0.054マイクロシーベルトを1年間浴び続けても0.473ミリシーベルトで、限度量を下回る。

文科省は1日2回をメドに最新の結果に更新する予定。ヤフーなどのホームページにも載せる。今後、放射線測定に無線操縦の無人ロボットも活用する予定。ロボットは幅80センチ、長さ150センチ、高さ150センチ、重さ600キログラム。障害物を乗り越えられ、1キロメートル離れた場所からガンマ線や中性子線を遠隔測定できる。

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