2019年2月17日(日)

核燃サイクルの選択肢案 全量再処理など3つ
原子力小委

2012/5/16付
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内閣府原子力委員会の小委員会は16日、核燃料サイクルに関する政策選択肢の最終案を示し、大筋了承された。原子力発電所から出る使用済み燃料について「全量再処理」、再処理をやめてすべて地中に埋める「全量直接処分」、「再処理と直接処分の併存」の3つに決定。不確実な情報を見極めるための「留保」案は選択肢に含めず、利点とデメリットの評価にとどめた。

核燃料サイクル政策の選択肢別のコスト
(単位:兆円)
原発
比率
全量再処理再処理と直接
処分の併存
全  量
直接処分
0%8.1~ 8.7
15%14.414.410.9~11.6
20%15.415.312 ~12.8
35%18.417.3~17.413.9~14.8
評価○将来も原発比率を維持・拡大する場合は最も有効○将来の原発規模が不透明な場合、政策の選択肢が多く最も優れている○脱原発の場合、経済性が高い
×経済性に劣る×政策の一貫性について、立地自治体に懸念を与える×政策変更の課題は最も多い

原子力委は今月にも、政府のエネルギー・環境会議に報告。同会議は経済産業省の総合資源エネルギー調査会と環境省の中央環境審議会がそれぞれ示す電源構成と地球温暖化対策の選択肢を踏まえ、「エネルギー・環境戦略」を夏までにまとめる。原子力委はエネ環会議の議論と並行して新たな原子力政策大綱を今夏までに策定する計画。

選択肢ごとに、原発の比率を0、15、20、35%と仮定し、経済性や政策変更に伴う課題など7つの観点を踏まえて総合評価した。小委員会は今後の議論に必要な条件をほぼ網羅したと位置づけている。

全量再処理について、中長期的には原発の比率を維持・拡大する場合、使用済み燃料の管理・貯蔵などの観点から「最も有力な選択肢」と指摘。ただ、将来の原発比率が不透明になると「経済的に最も劣る」と言及した。

再処理と直接処分の併存は、将来が不透明な場合に「政策の柔軟性があることから最も優れている」と評価した。

全量直接処分では、原発比率をゼロにする「脱原発」へ明確に進む場合は「経済的に最も優位となる可能性が高い」と評価。一方で「短期的には政策変更に伴う課題が最も多く、使用済み燃料が行き場を失う可能性がある」と指摘した。

新政策の決定を「留保」する案に関しては、青森県六ケ所村の再処理工場など核燃料サイクルの活動をある程度継続しながら留保期間後の意思決定に備える「活動継続・留保」案など2つを示した。いずれも「政策変更がある場合の準備期間が得られる」とする一方、「追加費用が発生する」「核燃料サイクル事業に関する地元同意の先送り・撤回」がデメリットだと指摘した。

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