2019年8月21日(水)

組み換え作物の被害、企業に回復義務 生物多様性会議
補足議定書を採択

2010/10/15 23:17
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生物多様性条約に関する名古屋会議は15日、遺伝子組み換え生物の輸出入に関する規制を話し合う「カルタヘナ議定書第5回締約国会議」が閉幕した。組み換え作物がもともとある自然を壊すなど被害を起こした場合、生産した企業などに原状回復を義務づける「名古屋・クアラルンプール補足議定書」を採択した。

名古屋・クアラルンプール
補足議定書のポイント
対象は遺伝子組み換え作物など。組み換え食品のような加工品は含まない
輸入国の生態系が被害を受けた場合、責任企業の特定と原状回復を義務付け
輸入国は企業に対し、保険や基金を使い補償に備えるよう求めることができる

補足議定書の採択は、18日に始まる「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」に報告される。議長国・日本にとって初の成果となった。日本は補足議定書を来年の秋以降、批准する見通し。40カ国が批准すれば発効する。

害虫を寄せ付けないトウモロコシや除草剤に強い菜種など遺伝子組み換え作物は急増、栽培面積は世界の農地面積の1割に達したとされる。これらが輸出先でこぼれ落ちるなどしてその土地固有の品種を駆逐すれば、生態系が乱れる恐れがある。補足議定書はこうした事態を防ぐのが狙い。

実際に被害が起きた報告はないが、今のうちから制度を整える。具体的には生態系に被害があった場合、組み換え作物の開発者や生産者、輸送会社などの原因企業に原状回復を義務付ける。輸入国は企業にあらかじめ補償費の用意を求めることもできるとした。各国は国内法を整備する。

名古屋での交渉は、対象を組み換え作物そのものだけでなく食品や飼料など加工品にまで広げるかを巡り難航。輸入国のマレーシアやアフリカは対象拡大を主張し、ブラジルなどの輸出国は反対した。日本は組み換え作物を開発しているため輸出国と歩調を合わせ、最終的に対象を広げないとする決着に持ち込んだ。

名古屋会議は週明けには微生物をもとに開発した医薬品などで得た利益をどう配分するか、ルール作りを進める。貴重な動植物の保全目標なども決め、最終日の29日までに合意を目指す。

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