もんじゅ処分、ずさんな管理態勢を問題視

2013/5/15付
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原子力規制委員会が高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)に対し厳しい処分を決めたのは、日本原子力研究開発機構のずさんな管理体制と危機感のなさを重くみたからだ。安倍政権は核燃料サイクル政策を堅持する考えを示しているが、もんじゅの今後については明言していない。処分が長引けば、運転再開のメドが立たないだけでなく、もんじゅの存廃問題が再燃するかもしれない。

昨年11月に発覚した約1万点の点検漏れには、安全重要度が最も高い「クラス1」の点検項目も多く含まれていた。規制委による今年2月の抜き打ち検査でも新たな機器の検査不備も見つかった。

にもかかわらず、原子力機構は問題を軽くみた。鈴木篤之理事長が「実質的な安全性は確保されている」などと発言し、批判を浴びた。組織的な体質の問題も指摘された。

もんじゅが扱うプルトニウムは核兵器の原料にもなる。管理体制がずさんでは海外諸国の不安をあおる。原子力規制庁幹部は「管理体制を変えない限り動かせないのは当たり前。強く指導せざるを得ない」と憤りを隠さない。

かつては「夢の原子炉」と呼ばれたもんじゅに国はこれまでに約1兆円を投じた。運転停止中とはいえ、今でも維持費に1日約4000万円かかる。保守管理や運用には高度な技術が求められるが、トラブルが常態化し原子力機構の能力不足を指摘する声もある。

目立った成果もなく着工から30年近くがたったもんじゅ。文部科学省は国際協力を前提にした新たな研究計画を策定中だが、次の姿を探る前に、点検漏れがなぜ起きたのかの徹底検証から始めなければならない。

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