原発最終審査、川内が有力 安全対策評価で夏までに再稼働も

2014/3/12付
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原子力発電所の再稼働に向けた安全審査が大詰めを迎えている。原子力規制委員会は週内にも審査が先行する原発の中から1、2カ所を選び、今後、審査の取りまとめ作業に入る。主要な審査項目を通過しつつある九州電力の川内原発1、2号機(鹿児島県)が「優先審査」の有力候補となりそう。手続きが順調に進めば、今春にも安全審査をクリアする。電力需要が高まる夏までに再稼働1号にこぎつける可能性が出てきた。

規制委は12日の地震・津波に関する審査を経て13日に田中俊一委員長ら5人の委員が出席する定例会合を開き、合格に向け審査を最終段階に進める「優先枠」について議論する。

川内が有力とみられるのは、最大の課題だった地震想定についての審査を終えつつあるからだ。「ほぼそのくらいだろう」。規制委事務局の原子力規制庁幹部は5日の審査後、九電が最大規模の地震を想定して示した620ガルという数値をこう評価した。「ガル」は加速度の単位で、建物などを襲う揺れの強さを表し、原発の耐震性を評価する重要な指標となる。

東京電力福島第1原発の事故の教訓を生かすため、昨年7月施行の新規制基準では地震・津波に対する備えの抜本的な強化を求めた。規制委は想定しうる最大限のリスクを考慮して電力会社に厳しい要求をつきつけ、審査ではたびたび双方の見解の相違も生じていた。

これまで規制委が電力会社による地震想定を「妥当」と認めた原発はなかったが、九電は安全を重視して保守的な数値を示し、大筋で了承を得た。

四国電力の伊方3号機(愛媛県)、九電の玄海3、4号機(佐賀県)も終盤に入っている。一方、川内などと同時に第1陣で申請した関西電力の大飯3、4号機、高浜3、4号機(ともに福井県)は地震の審査が長引きそうな気配だ。

優先枠に選ばれると、規制委は残る審査を進めるのと並行して事実上の「合格通知」にあたる審査書案を作成する。その後、地元で開く公聴会や一般からの意見募集を反映して5月にも正式に合格とする見通し。

これを踏まえ、政府や電力会社も再稼働への地元同意を得るための説明に取り組む。原発の周辺地域の中には再稼働に慎重な自治体もあるが、川内の場合は比較的反発は少ないとされる。

一連の手続きが順調に進んだとしても、再稼働が夏の節電期間が始まる7月に間に合うかどうか微妙な段階にさしかかっている。九電や関電はもともと原発への依存度が高く、仮に一基も稼働しないまま夏場を迎えた場合は綱渡りの供給を迫られる。

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