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山中教授 「STAP細胞の研究に最大限協力」

iPS研究のノウハウ提供

記者会見する京都大iPS細胞研究所の山中伸弥教授(10日夕、京都市)=共同

京都大学の山中伸弥教授は10日、京都市内で記者会見し、新型の万能細胞である「STAP(スタップ)細胞」研究に最大限協力する方針を明らかにした。これまでiPS細胞で培った研究ノウハウなどを提供する。2つの万能細胞の研究を連携させることで、細胞が若返る仕組みである「初期化」の解明につなげる狙いだ。

山中教授は理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらが開発したSTAP細胞について「素晴らしい成果だ」と評価した。そのうえで「STAP細胞は作製方法の改良の余地が十分にある」と指摘。iPS細胞で培った様々なノウハウを「要請があればどんどん提供したい」と述べた。山中教授が所長を務める京大iPS細胞研究所で、STAP細胞研究に取り組む意欲も示した。

皮膚などの成長した細胞がiPS細胞やSTAP細胞に若返る仕組みはまだ詳しく解明されていない。2つの万能細胞を比べれば、共通する仕組みがあるのかなどが解明できる可能性がある。

主な万能細胞・多能性細胞
細胞名開発・
発見の年
開発・発見
した機関
ES細胞マウス1981英カーディフ大
ヒト98米ウィスコンシン大
MAPC(ヒト)2002米ミネソタ大
MIAMI細胞(ヒト)04米マイアミ大
VSEL細胞(マウス)06米ルイビル大
iPS細胞マウス06京都大
ヒト07京大、ウィスコンシン大
Muse細胞(ヒト)10東北大など
STAP細胞
(マウス)
14理化学研究所・ハーバード大など

(注)太字は開発した細胞。そのほかは生体から選び出した細胞

2006年に開発されたiPS細胞は、病気やケガで損なわれた臓器の機能を補う再生医療や創薬への応用を目指した研究を積み重ねてきた。山中教授は「iPS細胞では難しい、切断した手をヤモリのように再生させるといったことが(STAP細胞では)できるかもしれない」と将来の可能性に大きな期待を寄せた。

理研は臨床研究として今夏をめどに、iPS細胞を使った世界初となる治療を目の難病患者に実施する予定だ。山中教授は「(iPS細胞に関して)未発表のデータを提供するなど協力してきた」と強調。こうした協力体制はSTAP細胞についても続けたいと話した。

また「iPS細胞はSTAP細胞よりがん化のリスクが高いなどとする誤解がある」と強調。iPS細胞は発見から8年が経過し研究が大幅に進んでおり、がん化のリスクは当初より大幅に低減したほか、作製効率も当初の0.1%が09年には20%に上昇したという。臨床研究に使うiPS細胞は心配するレベルではないと説明した。

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