2019年2月23日(土)

山崎さん、宇宙の"普段着"は18着
既製品から特注品まで

2010/4/11付
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国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の日本人宇宙飛行士、山崎直子さんがISS内で着用する"普段着"が話題を呼んでいる。米航空宇宙局(NASA)の支給品以外に、私物として山崎さんが持ち込んだのは特注品から既製品まで18着。抗菌性、速乾性といった機能をはじめ、着心地やデザインなどを重視した。特別販売を計画している製品もあるという。

国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に入った野口聡一さん(左)と山崎直子さん(NASA提供)

山崎さんは7日、スペースシャトル「ディスカバリー」でISSに到着。長期滞在している野口聡一さんらと作業を始めた。日本の実験棟「きぼう」で史上初めて2人の日本人飛行士が一緒に活動するという歴史的な場面で山崎さんが着用したのは青いカーディガン。実は山崎さんが選んだ普段着のうちの1着だ。ファッションデザイナーの芦田淳さんの次女で「ミスアシダ」のデザイナー、芦田多恵さんの作品だ。

「宇宙で多恵さんの服が着たい」。友人でもある山崎さんからこう頼まれたと芦田さんは明かす。ただ、宇宙で着る服をデザインするのは初めて。芦田さんは軽さと着心地の両立を目指し、縫い目のない「ホールガーメント」技術を用いて、軽くて動きやすいニットカーディガンを作った。

山崎さんが訓練に忙しかったので、芦田さんは打ち上げ前に山崎さんの試着した姿を見ることができなかった。それだけに、さっそく宇宙で着用している写真を見たときは感動したという。「自分の服が宇宙で着てもらえる日が来るとは夢にも思わなかった。宇宙でもファッションを楽しむ最初の一歩になったらうれしい」と芦田さん。

山崎さんの普段着は昨年9月、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が公募した。選定作業には山崎さんも加わり、抗菌や防臭などの機能や着心地、デザインなどの観点から18着を選んだ。

グンゼの半袖シャツは吸汗・速乾性に優れる綿55%、ポリエステル45%の既製品Tシャツ「クールマジック」が原型。同社は綿のセルロース繊維をナノテクノロジー(超微細技術)で改良し、消臭機能などを付加した特別品を開発した。「山崎さんに選ばれたことを記念して特別販売を計画している」(同社)という。

アウトドア用品のモンベル(大阪市)は汗を吸ってすばやく発散する素材を使ったシャツやズボンなど5点が採用された。山崎さんが宇宙に持参した普段着としては同社製品が最も多い。「着替えが困難な登山用に、着たまま乾かせる服の研究を長年続けてきたことが評価されたのではないか」と同社はみている。

アシックスは汚れにくい素材を使ったトレーニングウエア「スピル」(2009年モデル)が選ばれた。丸和繊維工業(東京・墨田)のポロシャツは、体の動きにフィットする「動体裁断」技術を使い、青森県の休耕田で栽培した藍(あい)で染めた。同社が地元と産学官連携で開発したという。

果たして18着に対する山崎さんの感想はどうか。宇宙機構は今後、山崎さんの意見をもとに、より一層快適な宇宙服の開発を目指す考えだ。(科学技術部 川合智之)

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