2019年8月21日(水)

中間貯蔵施設に着工 核燃料サイクル、続く正念場

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2010/9/13 7:00
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8月31日、青森県むつ市で「中間貯蔵施設」と呼ぶ原子力発電関連施設の工事が始まった。原子力発電所から出る使用済み核燃料を一時的に保管しておく施設で、使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」を実現するうえで不可欠な施設の1つだ。だが、「再処理工場」や「MOX燃料工場」など主要施設の計画は遅れている。技術的課題も多く、正念場を迎えている。

中間貯蔵施設は約26ヘクタールの敷地に3000トンの使用済み核燃料を保管する。建設・運営するのは、東京電力と日本原子力発電が出資するリサイクル燃料貯蔵(むつ市)。受け入れるのは東電と日本原子力発電の2社の原発から出る使用済み核燃料だけで、2012年7月に操業する。保管期間は最長で50年。将来はさらに2000トン分を増設する計画だ。

日本で原子力発電が始まって約40年。現在、54基の原発があり、年間約1000トンの使用済み核燃料が発生している。これまではフランスなど海外に送って再処理・加工を依頼し、発電に再利用できるウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料として輸入したり、再利用が難しい廃液などを固めたガラス固化体高レベル放射性廃棄物として引き取ったりしてきた。MOX燃料は昨年以降、九州電力と四国電力が相次いで既存の原発に搬入し燃料として再利用を始めたほか、東電と関西電力なども実施する予定だ。国や電力会社は15年までに全国16~18基で再利用することを打ち出している。

MOX燃料の国産化を進めるための施設が、電力会社が出資して作る日本原燃(青森県六ケ所村)の再処理工場とMOX燃料工場だが、再処理工場はトラブルが続いて操業延期を繰り返しているほか、MOX燃料工場はこれから建設する。増えるばかりの使用済み核燃料をいったん預かる中間貯蔵施設への期待は大きく、中部電力や九電など他の電力会社も中間貯蔵施設の建設を目指している。

再処理工場は今年10月に動き始める予定だった。しかし、廃液を固める技術が不完全で、日本原燃は9月9日、操業の2年延期を決めた。再処理工場の操業延期は今回で18回目。再処理工場には、各原発から使用済み核燃料が燃料棒の形で搬送されてくる。それを細断・溶解し、ウランとプルトニウムを取り出した後の廃液をガラスと一緒に固める。日本原燃は06年以降、最終試験を実施していたが、このガラス固化体を作る溶融炉でトラブルが起きた。

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