家電の待機電力をゼロに 東北大・NECが半導体技術
5年後の実用化目指す
東北大学の大野英男教授とNECは、パソコンやテレビなどの待機電力をゼロにできる半導体技術を開発した。現在の家電は、コンセントにつないだままだと、スイッチを切っていてもデータ保持などのために電気が流れてしまう。家庭で消費する全電力のうち6%が待機電力とされる。この一部を節電できる技術として、5年後の実用化を目指す。13日から京都で開く半導体集積回路技術の国際学会で発表する。
家電の制御回路に組み込む不揮発性メモリーの一種を開発した。この回路は頭脳に相当し、動作時に不可欠なデータを蓄えている。これまでは、データを正常に保つのに待機電力がかかった。
新技術は電子を小さな磁石として扱い、磁石の向きを操作してデータを読み書きする。電流を完全に切ってもデータは保持される。
研究グループはすでに回路に使う別の電子部品の待機電力を減らす技術も開発済みという。今後、実際に回路を試作する計画だ。