2019年6月26日(水)

「あかつき」金星軌道投入は失敗 6年後に再挑戦
JAXA発表、惑星探査に痛手

2010/12/8付
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あかつきの軌道投入失敗を発表するJAXA担当者(8日、神奈川県相模原市)

あかつきの軌道投入失敗を発表するJAXA担当者(8日、神奈川県相模原市)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8日午前、日本初の金星探査機「あかつき」を金星の周りを回る軌道へ投入することに失敗したと発表した。1998年に打ち上げた火星探査機「のぞみ」に次ぐ失敗で、日本初の惑星探査はならなかった。あかつきは現在、太陽の周りを回る軌道に入っており、2016年12月から17年1月ごろに再び金星に接近する。宇宙機構は電力消費を減らすなど機器の延命に努め、金星の軌道への再投入を目指す考えだ。

8日午前11時すぎから、あかつきの管制運用室がある相模原キャンパス(相模原市)で関係者が会見。同機構の小野田淳次郎・宇宙科学研究所所長が「金星の周回軌道への投入は断念した」と、失敗を発表した。

同機構は7日に金星の周回軌道に移動させるため、あかつきの主力エンジンを逆噴射して減速させようとした。しかし、逆噴射の最中に何らかの原因でコマのように回る緊急状態の「セーフホールドモード」に切り替わり、12分間の予定の逆噴射時間が2、3分にとどまったという。このため、金星を通り過ぎてしまい、現時点では金星の周回軌道に再投入するのは不可能と説明している。

同機構によると、あかつきは現在、太陽を中心に回る軌道に入っている。あかつき自体の状態は良好で、高速通信も可能という。2017年ごろに再び金星に接近するため、宇宙機構はバッテリーを節約するなどして機器の寿命を延ばし、再び投入することを目指すと説明している。

金星は地球とほぼ同じ大きさで兄弟惑星とも呼ばれている。表面はセ氏460度で硫酸の雨が降ったり秒速100メートルの強風が吹くなど様子は全く異なるが、金星の大気の動きに関するデータを活用すれば、地球の天気予報の精度向上に役立つといわれている。高性能カメラなどを搭載したあかつきに期待が高まっていた。

宇宙機構は2014年に水星探査機の打ち上げを計画しており、あかつきの軌道投入失敗は水星用探査機の開発に影響を及ぼすのは必至。同機構はあかつきの失敗原因の究明を急ぐ考えだ。

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