原発再稼働、5原発10基が申請 新規制基準施行で

2013/7/8付
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原子力発電所の安全性を判断する新たな規制基準が8日施行された。原子力規制委員会は午前、再稼働に必要な安全審査の受け付けを始め、北海道、関西、四国、九州の電力4社が5原発10基で申請した。審査は半年ほどかかる見通し。東京電力など他電力も申請を予定しており、来年以降は原発の再稼働が相次ぐ可能性もありそうだ。

新基準は東電福島第1原発事故の教訓を踏まえて作られた。電力会社に委ねていた重大事故対策を義務付けたほか、地震や津波への備えも大幅に強化した。各社は新基準に適合させるため安全対策を進め、準備が整った4社が10基で申請した。

北海道電が午前9時半に泊原発1~3号機(北海道)で申請したのを皮切りに、関電が現在稼働中の大飯原発3、4号機(福井県)と、高浜原発3、4号機(同)、四国電が伊方原発3号機(愛媛県)、九電が川内原発1、2号機(鹿児島県)で申請書を提出した。

北海道、関西、四国、九州の電力4社が5原発10基で安全審査を原子力規制委員会に申請(8日)

北海道、関西、四国、九州の電力4社が5原発10基で安全審査を原子力規制委員会に申請(8日)

規制委の事務局となる原子力規制庁(東京・港)を訪れた北海道電の酒井修副社長は大型ファイル17冊分の申請書を職員に手渡した。同副社長は記者団に「冬の需給は厳しく、1基でも稼働できれば」と語った。川合克彦社長は「今後の審査対応に全力を尽くす」とのコメントを発表した。

規制委は5原発の申請を同時に受け付けた形で扱う。約80人が3チームに分かれて、複数の原発について審査を進める。年末から年始にかけて新基準に基づく第1号の判断が固まる見通し。再稼働には地元自治体の同意が必要になる。

2原発4基を申請した関電の森中郁雄常務執行役員は「できれば全部同時に審査していただきたい」と希望した。豊松秀己副社長は大阪市内で記者会見し「厳格に審査してもらい、安全性が確認されれば、地元の理解を得て速やかに再稼働したい」と述べた。

新規制基準で求められる対策





フィルター付きベント装置(沸騰水型のみ)
事故時の司令塔となる緊急時対策所
電源車やポンプの配備
航空機墜落などのテロ対策






活断層は最大40万年前の地層まで調査
活断層が直下にあれば運転認めず
東日本大震災を踏まえ最大の津波を想定
浸水を防ぐ防潮堤や水密扉

申請した5原発は大津波の危険性が低いとされる内海や日本海側にあり、運転開始から30年未満と比較的新しい。原子炉も福島第1原発の沸騰水型とは異なる加圧水型と呼ばれるタイプで、大規模な設備改修が必要になるフィルター付きベント(排気)設備の設置が5年間猶予されている。

テロや津波の対策は新基準をほぼ満たすとみられており、地震対策が焦点となりそうだ。規制委は原発直下や付近の活断層の危険性について厳しく評価する方針で、大飯や高浜で問題となりそうだ。伊方や川内は敷地内に活断層がなく、早期に合格する可能性が高い。

九電は12日に玄海原発3、4号機(佐賀県)を申請する予定。吉迫徹副社長は「準備の都合でずれた。12日には提出したい」などと述べた。東電も柏崎刈羽原発(新潟県)を近く申請する意向を示している。

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