2019年8月25日(日)

ラニーニャ再び 東日本以西で寒い冬の公算

2011/11/6付
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今春、終息したばかりの「ラニーニャ」現象が再び発生、拡大し始めている。1年に2度も起きるのは気象庁が統計を取り始めた1949年以来初めて。「ラニーニャもどき」という状態を挟み、実質的にはラニーニャが昨夏から続いているとの見方もある。ラニーニャはこのまま顕著になり、西日本~東日本で当初の予想に比べ寒い冬になる公算が大きい。

ラニーニャは東部太平洋の赤道域の海水温が平年より低くなる現象。直近のラニーニャは昨夏に始まり、今春終わったとみられていた。

ところが米海洋大気局(NOAA)やオーストラリア気象局は9月に、ラニーニャが再び始まっており冬にかけて拡大するとの予測を明らかにした。気象庁も10月中旬、「ラニーニャの状態に近づきつつある」との監視速報を出した。

海水温の低い海域は今春、いったん西側に動いたが消えず、秋に入って東側に戻りつつあるという。東京大学の山形俊男教授はこのように低温域が一時的に西にずれる現象を、ラニーニャもどきと名付けている。

海洋研究開発機構の升本順夫プログラムディレクターは「2000年代に入り、ラニーニャもどきが起きやすくなっている。確証はないが地球温暖化で熱帯付近の大気循環が変わった影響の可能性がある」という。

同機構は来春から夏までラニーニャが続くと予測。もどきを含めれば継続期間は2年に及ぶ。気象庁の前田修平予報官も「今は西部太平洋とインド洋の水温がともに高いが、年明けごろから西部インド洋の水温が下がり典型的なラニーニャに移行する」と予想する。

ラニーニャは偏西風を蛇行させ、日本付近で北西から南東に向かう流れになりやすい。この影響で今冬は「大陸から寒気が吹き込み東日本以西の気温は低めになりそう」(同予報官)。東大の山形教授は「日本付近の海水温が高いので(寒気が入ると雲が発達し)日本海側は雪が多くなるだろう」とみる。

どの程度寒くなるか分析するには、寒気の吹き出しの目安になる「北極振動指数」に注目する必要がある。筑波大学の田中博教授は「指数は暖冬傾向を示しているが、この先変わることもありうる」という。低温傾向が強まれば、冬の電力需給見通しにも影響する可能性がある。

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