京大、iPS細胞備蓄計画を始動 14年末にも配布
まず日本人の2割カバー

2013/12/4付
保存
共有
印刷
その他

京都大学iPS細胞研究所(山中伸弥所長)は4日、治療に使うiPS細胞をあらかじめ作って備蓄する計画を始めたと発表した。健康な人の血液からiPS細胞を作る作業に着手しており、安全性を確認して凍結保存する。2014年末にも、治療研究を計画している研究機関に提供する。再生医療の実用化研究を支援する狙いで、安全性確保などリスク回避策も確立したい考えだ。

作ったiPS細胞はがんにならないかなど安全性を中心に評価している。来年末の配布時には、少なくとも日本人の2割に対応できるタイプのiPS細胞を用意。大阪大学や京大、慶応義塾大学など、再生医療への応用を目指す研究機関に提供する。5年以内に3~5割、10年内に8~9割をカバーするのが目標だ。

iPS細胞は患者自身の皮膚や血液の細胞から作製でき、移植しても拒絶反応が起こらない。しかし移植用の細胞を作るには数カ月かかり、治療が間に合わなくなる問題があった。費用も1千万円を超す。

他人に細胞を移植しても拒絶反応を起こしにくい体質の人がいる。こうした体質で健康な人から血液を提供してもらい、iPS細胞を作る。同研究所は昨年10月から、京大病院や日本赤十字社などと協力して提供者を探していた。

安全性の確保など様々な課題の克服にも取り組む。現在はiPS細胞の安全性を評価する手法がなく、確認が非常に難しい。がんになりやすかったり、遺伝子の異常で病気になるリスクを抱えたりする細胞を取り除く必要がある。同研究所で3回評価し、提供した研究機関でも治療前に調べることで安全性を確保したい考え。

多くの人をカバーできるタイプのiPS細胞から作製を進める。ただ、日本人の9割をカバーできるiPS細胞を備蓄するには、数十万から数百万人の血液を調べる必要があるとされる。日赤の協力に加え、臍帯血(さいたいけつ)などを使うことで対応は可能とみている。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]