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情報をエネルギー変換、初の成功 中大・東大教授ら

中央大学の宗行英朗教授、東京大学の佐野雅己教授らは、情報をエネルギーに変換できることを示す実験に世界で初めて成功した。プラスチックの粒子が周囲の熱で不規則に運動する様子を観測し、その情報に応じた操作によって粒子にエネルギーを与えた。19世紀の物理学者が提唱した、分子の動きを観察して制御する実験「マックスウェルの悪魔」を実現したと話している。

将来、体内で働く微小機械の制御などに応用可能とみている。英科学誌ネイチャー・フィジックス12月号に掲載された。

実験は直径300ナノ(ナノは10億分の1)メートルの2個連なりのプラスチック粒子が、周囲の熱によるブラウン運動で自由に回転する状態にして実施した。外から交流電圧をかけて、粒子のエネルギーの状態が階段を上ったり下りたりするような仕組みを作った。

高速度カメラで粒子の動きを観測。観測で得られた情報に応じて電場の状態を瞬時に切り替えることで、粒子にエネルギーの階段を上らせていくことに成功した。得られたエネルギーを、観測の情報量に相当するエネルギーで割った変換効率は最高で30%だった。

今回の結果は、温度差がないところからエネルギーは取り出せないとする「熱力学第2法則」に一見反するが、情報処理に必要なエネルギーを考慮に入れれば矛盾は起きないことが確認できたという。

19世紀の物理学者マックスウェルは、分子の動きを観察して制御する「悪魔」の存在を想定すれば、熱力学第2法則が成立しなくなるとする有名な思考実験を唱えた。この「マックスウェルの悪魔」を今回、実験によって初めて実現したと宗行教授は説明する。

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