春の嵐は「爆弾低気圧」 超大型台風並みに

2012/4/3付
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日本列島を3日、超大型台風並みの強風を伴う春の嵐が襲った。上空の偏西風が大きく蛇行した結果、日本付近で寒気と暖気が激しくせめぎ合い、急速に発達した「爆弾低気圧」が日本海を北上したためだ。大気の流れは似たようなパターンが続くとみられ、今後も嵐が襲来する可能性がある。

3月31日、4月3日と短い間に2度も嵐に見舞われた。3日は低気圧が日本海に入った時点で中心気圧がかなり低く、その後も急発達を続けた。

季節の変わり目に低気圧が発達しながら日本付近を進むことは珍しくない。ただ、「日本海の真ん中でこんなに発達するのはまれ」と専門家は口をそろえる。3日は広範囲で強い雨や風となった。

悪天候による欠航が相次ぎ、出発ロビーで過ごす人たち(3日午後、羽田空港)

悪天候による欠航が相次ぎ、出発ロビーで過ごす人たち(3日午後、羽田空港)

低気圧発達の原動力は寒気と暖気のぶつかり合いだ。両方の勢いが強く温度差も大きいほど発達しやすくなる。積乱雲ができ、雷雨や竜巻を伴うこともある。3月31日の低気圧も威力があったが、今回はさらに発達する条件がそろった。

天気変化の傾向を左右する上空約5500メートルの偏西風(ジェット気流)の流れは3月中旬以降、日本付近で南に蛇行。中国大陸東部の沿海州付近に深い気圧の谷ができた。その東側で暖気が北上、西側では寒気が南下して低気圧の発達を促した。「これほど蛇行が大きいのは過去にそれほどない」(気象庁気候情報課の藤川典久予報官)。

寒気が強いのも特徴だ。気象庁の観測では4月1日午後9時に北海道の稚内上空約5500メートルの気温は零下44.5度と、4月としては過去最低を記録。朝鮮半島付近には零下30度以下の寒気が控える。低気圧が去った後、東・北日本では一時的に寒くなる。

東京大学の中村尚教授は強い寒気の南下を「寒かった冬の余波」とみる。昨年暮れから日本の北で寒気がたまりやすく、今年、関東地方などで「春一番」が吹かなかった一因ともなった。

強風にあおられ橋の上で横転した大型トラック(3日午後、富山県砺波市)=共同

強風にあおられ橋の上で横転した大型トラック(3日午後、富山県砺波市)=共同

気象庁によると今回の偏西風の蛇行は3月に米国で発生した。暖気の通り道となった米東部や中部では記録的な「暑い春」となり、一部で30度以上を記録した。

現在、北半球全体では四つの蛇行がある。この状態はすぐには解消しない見通し。「(日本付近には)4月半ばまでは寒気が入りやすい」(中村教授)とみられ、再び猛烈な低気圧が駆け抜けても不思議はないという。(編集委員 安藤淳)

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