STAP細胞、5カ月で白紙 ネイチャーが論文撤回 - 日本経済新聞
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STAP細胞、5カ月で白紙 ネイチャーが論文撤回

英科学誌ネイチャーは2日、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらによるSTAP細胞の論文を取り下げたと発表した。同誌のウェブサイトで、小保方氏を含む著者らは「重大な誤りが見つかったため」と説明。STAP細胞が「疑いなく存在するとは言えない」と指摘した。3日に発行する同誌に撤回の事実などを掲載する。

論文は細胞に外部から刺激を与えるだけで万能細胞に変わるという内容。生物学の常識を覆すとされたが、1月末の発表からわずか5カ月で白紙に戻る。理研は小保方氏が加わるSTAP細胞の検証実験に取り組むが、論文は成果として認められず、学術的には存在しないものとなった。

論文の著者らは同誌のウェブサイトで、理研の調査委員会が認定した研究不正2点などに加え、新たに5項目を撤回理由に挙げた。調査委が調べていなかった、レターという補足的な論文で指摘されていた疑惑についても撤回の理由に盛り込んだ。異なる2匹の画像のはずが、同じマウスを写したものだったとの誤りなどを取り上げた。

主論文に関して山梨大学の若山照彦教授が保存する細胞を第三者機関に依頼して解析した結果、若山氏が小保方氏に渡したマウスとは別の種類のマウスから作られており論文の内容とも矛盾することも撤回理由とした。

著者らは「論文の誤りについて謝罪する」と言明。「検証実験を進めているが、あまりにも広範な誤りが見つかったので、撤回するのが妥当だ」と説明した。同誌は、論文を掲載する前に不正を見抜けなかったことを「遺憾だ」と表明した。

著者の一人、米ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授は2日に声明を発表し、「これまでに明らかになった多数の誤りが論文の信頼性を損ねることを懸念している」と論文撤回に同意した理由を説明した。

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