2019年8月25日(日)

福島第1の放射性物質、拡散予測5000件が未公表
政府が発表、「開示でパニック懸念」

2011/5/2付
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政府と東京電力からなる福島原子力発電所事故対策統合本部は2日、「緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)」による未公表の予測結果が約5千件にものぼる、と発表した。原子力安全委員会が3日以降、ホームページ上で公開していくという。

SPEEDIは原発事故が起きた際の放射性物質の飛散状況を予測するために文部科学省などが113億円を投じて開発・運用するシステム。福島第1原発事故後、ほとんど予測結果が開示されておらず、専門家らが強く批判していた。

事故直後から文科省や経済産業省原子力安全・保安院、原子力安全委が別々にモニタリングデータから放射性物質の量を逆算し、飛散状況を予測していた。なかには原子炉の中の放射性物質がすべて放出されたと想定した結果もあるという。

2日の会見で統合本部の事務局長を務める細野豪志首相補佐官は「(事故当初では開示によって)国民がパニックになる懸念もあったと判断したのではないか」と語った。

また、文科省が学校の校庭の利用基準を「年間被曝(ひばく)線量20ミリシーベルト以下」と定めた問題に関し、原子力安全委は2日、決定までの経緯を公表した。国際放射線防護委員会(ICRP)などの勧告を基に決めたという。同委の決定では、議論の時間が短く、議事録もないなど科学的な根拠を疑問視する声が強かった。

統合本部は、東電が4月17日に公表した事故収束に向けた工程表の進捗状況を今月17日にまとめて公表することも明らかにした。検証結果によっては対策の見直しもあるという。

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