2018年11月19日(月)

鳥インフルの感染解明 論争呼んだ論文公表
ワクチン開発に道

2012/5/3付
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東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らは、強毒性の鳥インフルエンザウイルス「H5N1」が哺乳類同士でも感染する仕組みを解明した。将来、大勢の死者を出す懸念がある新型インフルエンザの病原体になる可能性を示す成果で、論文が3日、英科学誌ネイチャー(電子版)に載る。世界的な大流行(パンデミック)を回避する予防ワクチン開発に道を開く。

同論文を巡っては、米政府が生物テロに悪用されかねないとして、掲載前、出版元に内容の一部削除を求め、論争を巻き起こした。

河岡教授らは、イタチの一種で哺乳類のフェレットで実験をした。遺伝子操作で感染に関わる2つのアミノ酸を改変したH5N1をフェレットに投与、鼻の粘膜で増えることを確認した。

さらに、感染したフェレットとそうでないフェレットとを狭い空間で一緒に飼育すると、飛沫感染することが判明。ウイルスを採取して調べると、アミノ酸が4つ変異しており、このわずかな変化で、哺乳類同士で感染すると結論づけた。

H5N1はこの十数年、主にアジアや中東地域で散発的に鳥の間で流行している。濃厚接触によって鳥から人にうつる例も報告されており、致死率は約60%。ただ、人から人へ感染するかどうかは意見が分かれており、ウイルスにどのような変異が必要なのかも、よく分かっていない。哺乳類同士でも感染することが今回明らかになり、人への脅威にもなりうることが分かった。

河岡教授によると、4つの変異のうち、すでに2つは、最近エジプトで鳥から見つかったH5N1で確認されているという。「エジプト株を参考にしたワクチン製造、備蓄を急ぐ必要がある」と話す。

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