福島第1原発、汚染水を人工浮島で貯水へ

2011/4/1付
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東京電力は1日、福島第1原子力発電所の冷却作業を阻む汚染水の除去に向け、人工の浮島を沿岸近くに浮かべて貯水する検討に入った。メガフロート(大型浮体式海洋構造物)を活用する。静岡市が1日、海上で海釣り公園に使うメガフロートを東電の要請を受けて譲渡すると発表した。排水先を確保できれば、難航する作業がしやすくなる。

メガフロートの活用は三菱重工業が東電に提案した。静岡市によると、メガフロート内部は約1万8000トン分の空間があり、1万トン程度の水をためても沈まないという。放射線量の高い汚染水は少なくとも約1万トンあるとみられている。

清水港の沖合に浮かぶ「清水港海づり公園」を移設する。鋼鉄製で、長さ136メートル、幅46メートル、高さ3メートル。清水港から船でえい航し、神奈川県内の造船所で内部を整備、福島第1原発の沿岸に運ぶ。えい航する船舶の手配など運搬作業は東電側が担う。利用が始まる時期は未定だ。

一方、海運業界関係者によると、当初は汚染水をタンカーで運ぶ案があり、政府筋から船を確保できるか打診があった。ただ原発の沿岸部は水深が浅く、現在ではバージ(はしけ)と呼ぶ貨物用船舶に汚染水を載せ、タグボートなどでえい航する案が出ている。

1~3号機のタービン建屋にある汚染水は、タービンを回した蒸気を冷やす「復水器」に入れる計画だが、復水器は既に満水。復水器の水を屋外の「圧力抑制室タンク」に移すが、2つある圧力抑制室タンクの1つも満杯になった。

また1日午後3時からは、原発敷地内で合成樹脂剤の散布を始めた。地面などを覆い、放射性物質が付いたがれきや土などの飛散を防ぐ。2000リットルを用意、4号機付近の500平方メートルにまいた。

一方、2、3号機では、原子炉の熱を逃がす海水ポンプの復旧に着手した。既に設置を終え、電源をつなぐ作業に移った。「残留熱除去系」と呼ぶ冷却機能の復旧を目指す。原子炉から出る高温の蒸気を海水で冷やせるようになれば、本格冷却に向けて一歩前進する。ポンプは津波をかぶって使えなくなっていた。

ただ水素爆発が起きた3号機などでは、原子炉から水を導く配管が損傷している恐れが強い。放射線量の高い場所に入って配管を調べる必要があり、本格復旧にはなお時間がかかる。

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