東大、がん治療の標的遺伝子スピード特定 治療薬開発効率化

2013/10/2付
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東京大学医科学研究所の宮野悟教授らはスーパーコンピューターを使い、がん治療の標的となりそうな遺伝子を効率よく探し出す手法を開発した。この手法を生かして3カ月で、がん転移にかかわるとみられる遺伝子を新たに10種類見つけた。従来は数年かけて1種類の遺伝子を特定する例が多かった。抗がん剤の開発スピード向上につながると期待している。

成果は3日から横浜市で始まる日本癌(がん)学会で発表する。転移や薬剤耐性などに関する遺伝子が分かれば創薬の糸口になる。

経済学やマーケティングなどで使う因果関係を調べる統計手法を遺伝子解析に応用した。遺伝子は影響しあっており、ある遺伝子がつくったたんぱく質は、他の遺伝子がつくるたんぱく質の量を左右する。たんぱく質量に関わる大量のデータから相互の関係をスパコンで予測し、がんの性質にかかわる遺伝子候補を短時間で見つける。

実験では700種類のがん細胞で働く1万種類以上の遺伝子をスパコンで調べた。がん転移にかかわるとみられる遺伝子が24種類特定できた。このうち14個はすでに転移関連遺伝子だと知られており、新手法が有効だと確かめられた。理化学研究所のスパコン「京」を活用できれば、計算時間は1時間ですむという。

従来は遺伝子を1つずつ実験で調べて働きを解明するのが一般的で、膨大な時間がかかっていた。

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