エンジニアこそ主役、IT変革へ「憧れ」の職業に  (藤元健太郎)

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2013/5/3 7:00
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サイバーエージェントがエンジニア専用のシェアハウス型の社員寮を開設した。社員寮は従来、福利厚生の一環とされ、最近では企業のコスト削減や入寮希望者の減少で減っていた。同社がこの時期に社員寮を開いたのは人事戦略に基づく面が大きい。終身雇用を打ち出す中で、社員を大事にするという側面もあるが、一番のポイントはエンジニア専用という点にある。

《ポイント》
(1)サイバーエージェントがエンジニア専用の社員寮を開設した。
(2)スマホの普及がネット企業をエンジニア中心の組織へと変革する。
(3)日本は今後、エンジニアを若者が憧れる魅力ある職業にすべきだ。

サイバーエージェントが開設した社員寮はエンジニア専用だ

サイバーエージェントが開設した社員寮はエンジニア専用だ

急速に拡大するスマートフォン(スマホ)向けサービスの中でも、ソーシャルゲーム市場を支えるエンジニアは引っ張りだこだ。特にスマホでゲーム開発の経験がある人材は転職で給料が倍増するケースもある。このような状況で優秀なエンジニアを獲得するには報酬面だけでなく、エンジニアを中長期的に育成していく仕組みが求められる。社員寮はそのひとつだ。

サイバーエージェントの寮は、エンジニア向けの本を共有する本棚や実際に複数でゲームができる部屋も2カ所ある。簡単な開発合宿ができるような打ち合わせスペースや作業場もふんだんに用意されている。エンジニア同士の切磋琢磨(せっさたくま)やアイデアを一気に開発まで持っていくことも可能で、社員の評判も上々のようだ。

日本のネットベンチャーはこれまで営業優位の会社が多かった。技術志向というよりはBtoBでわかりやすく売りやすいサービスをつくり、営業の力で売り上げを増やしていた。

しかしスマホの普及でゲームもアプリも短期間にBtoC向けの大量のサービスを出さねばならず、少数で機動的にサービス開発やデータ分析を行う必要がある。アイデアやサービスにおける開発エンジニアの裁量権も広がった。従来のSE(システムエンジニア)と呼ばれる職種の人が紙の仕様書をじっくり作成して外注先に開発を依頼するようなスピード感ではとても対応できない。

サイバーエージェントも営業が強い会社だが、39歳の藤田晋社長を中心にエンジニア中心の会社へと変革の真っ最中にある。今回の社員寮もエンジニア重視の姿勢の表れと言えるだろう。ヤフーも昨年、44歳の宮坂学氏が社長に就くと「スマホファースト」を掲げ、社内変革を「爆速」と名付けたスピード感で進めている。エンジニアとして優秀な人には、社長を超える年収1億円の報酬を与える制度も創設した。

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