ローソン、HMVを買収 全株式を18億円で取得
大和証券系から チケット販売と相乗効果
ローソンは28日、音楽・映像ソフト販売大手のHMVジャパン(東京・港)を買収すると発表した。大和証券系の投資ファンドから全株式を18億円で取得し、12月1日付で完全子会社化することで基本合意した。HMVはインターネット通販に強みを持つ。ローソンはHMVを傘下におさめ、音楽ソフトやコンサートチケットなどのネット通販の拡大につなげる。
HMVを巡っては3月にいったんカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が買収を表明したが、買収額で全株式を保有する大和証券エスエムビーシープリンシパル・インベストメンツ(DPI)と折り合わず、6月末に断念を発表。DPIは新たな売却先を探っていた。
HMVは年間売上高約300億円の半分をネット通販で稼ぎ、音楽ソフトのネット通販ではアマゾンジャパンに次ぐ国内2位とみられる。ローソンはチケット販売子会社、ローソンエンターメディア(LEM)と音楽ソフトや関連商品のネット販売などで相乗効果が見込めると判断。元役員による資金流用事件で多額の損失を出したLEMの立て直しにもつなげる。
ローソンは買収後も当面、10月1日時点で37店あるHMVの店舗網や従業員を維持する見込み。
HMVは1990年に日本に進出し、2008年11月には67店まで拡大した。だが、09年の音楽CD生産額が2460億円と10年前の約半分に縮小するなか、経営が悪化。8月に日本1号店のHMV渋谷店(東京・渋谷)を閉めるなど、店舗削減を進めていた。
大手小売りではセブン&アイ・ホールディングスが3月、同じく音楽・映像ソフト販売大手のタワーレコード(東京・品川)への出資を発表、持ち分法適用会社にした。今後、拡大を見込むネット通販の主力商品として音楽ソフトを活用する。
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