消費者、プロシューマー化 企業の良きパートナーに (徳力基彦)

(1/2ページ)
2012/10/31 7:00
保存
共有
印刷
その他

徳力基彦アジャイルメディア・ネットワーク社長

徳力基彦アジャイルメディア・ネットワーク社長

「ひらくPCバッグ」(2万6200円)。ノートパソコンを持ち運ぶために工夫を凝らしたこの商品は、10月5日の発売後2時間半で初回分が売り切れた。企画したのは、いしたにまさき氏というブロガー。スーパーコンシューマーというマニアックな消費者が製品を企画するというサイトでのプロジェクトだ。

いしたにまさき氏の肩書は、ライター&ブロガー。本職はカバン製造ではない。様々な本も書いている著名なブロガーではあるが、芸能人のように頻繁なテレビ出演があるわけでもない。そんな一個人が企画したカバンが数時間で売り切れるというのは、画期的な出来事だと言えるだろう。

《ポイント》
(1)1人のブロガーが企画した商品が発売後2時間半で売り切れた。
(2)利用者のアイデア集めだけでなくパートナーにすることが大切。
(3)大企業にとっても有益な宣伝効果が出る可能性もある。

消費者「コンシューマー」がもはや単なる消費をする人ではなく、生産者と消費者を組み合わせた生産消費者「プロシューマー」になるという概念は、1980年にアルビン・トフラーが著書「第三の波」で提示している。それから30年以上が過ぎ、インターネットやソーシャルメディアの普及も手伝って、そうした消費者のプロシューマー化の事例は一段と増えつつある。

例えば無印良品はソーシャルメディアがブームとなる前から「空想無印」というサイトで、ユーザーと一緒に無印良品の商品を企画・販売する取り組みを進めてきた。ファミリーマートは「みんなで作るおむすび選手権」という、ソーシャルメディアユーザーと一緒に、店頭に並べるおむすびを考える企画を3年連続で実施。今年は4千件を超えるアイデアの投稿があったという。

もちろん企業が消費者と一緒に製品開発をしたり、商品を改善したりといった企画は、インターネットが普及する前からあり、目新しさはない。ただソーシャルメディアの登場を機に、明らかに変わってきたのは製品開発のプロセスに参加したユーザーが、製品の宣伝やマーケティングにも貢献するようになってきたことだ。第1回のファミリーマートのおむすび選手権では、ツイッターでアイデア募集をした企画が実際に商品化されたタイミングで、多くのツイッターユーザーが発売されたニュースをツイッター上で話題にした。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

ECの波頭(日経MJ)から

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]