2019年8月20日(火)

変われSNS 自己実現助ける手段に (三淵啓自)

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2012/8/29 7:00
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三淵啓自デジタルハリウッド大教授

三淵啓自デジタルハリウッド大教授

8月20日、フェイスブックの株価が18.75ドルと公開価格の半値以下の水準まで下げ、最安値を更新した。16日に新規公開(IPO)前からの主要株主が売却することを禁止するロックアップ期間が終了。大株主が売却、株価が不透明になっている。

フェイスブックのようなソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の収益性に対して、市場は疑問視し始めている。SNSの主な収益源は広告とソーシャルゲームにおける課金。もっとも「コンプガチャ」のように射幸心をあおるような課金のあり方に対し、規制や批判は強まっている。

《ポイント》
(1)SNSはユーザーの自己実現を助けるネットワークへ進化すべき。
(2)そのためにはユーザーの実生活につながる機能の充実が必要だ。
(3)現実と仮想の差が縮まり、新たなコミュニケーションが生まれる。

ソーシャルゲームの収益を長期的に安定させるのは難しい、と筆者はみている。多額のお金を使っているのは全体の数パーセントに過ぎず、ここから数百億円の収益を得ている現状に無理があるのは火を見るよりも明らかだ。社会的ニーズが明確にあり、薄く広く徴収するようなモデルでなければ、持続可能なビジネスにはなりにくい。

ゲーム内のアイテムは仮想商品と呼ばれ、その価値はゲームコミュニティー内での知名度やブランドで決まる。現状のソーシャルゲームでのアイテムはほとんどが、カードなどゲームを優位に進めるためのものだ。自己表現や自己実現といったユーザーのアイデンティティーを構築するものではない。ユーザーは恩恵を長期間にわたって受けるわけではないため、目新しいゲームへと、いともたやすく流れるのだ。

SNSは単に日記やメッセージのやり取りをする存在から、ユーザーがアイデンティティーを構築したり、自己実現を可能にしたりするネットワークへと進化する必要があると、筆者は考えている。

そのためには、SNSに実生活へとつながる機能が必要である。(1)物品(デジタルも含む)の購入・レンタル、販売機能、EC(電子商取引)サイト、オークションサイト、レンタルショップなど、(2)サービス(アプリを含む)の提供、受領機能、宅配サービスとか介護、診療など、(3)仕事(マイクロジョブ)の発注、受注機能――といったものが想定される。

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