ネットの公共教育を スイカ履歴が突き付ける課題 (藤元健太郎)

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2013/9/27 7:00
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特に現代の日本人は公共という概念を意識しないことが多い。かつての地域コミュニティーが喪失する中で成長する人が増え、学校教育も含め、公共と私という概念を教わらないまま大人になる。むしろ「公共=官」と認識したまま成人を迎える人が多い。そのため自分が住んでいる地域の問題は行政がなんとかしてくれるとしか考えられない。公共は自分ごとではなく人ごとになってしまう。国勢調査をプライバシーだからと言って断る人が増加しているのもその表れだろう。

藤元健太郎氏
1967年生まれ。野村総合研究所在籍中の93年からインターネットビジネスの調査研究、コンサルティングをスタート。日本初のインターネットビジネス実験モール「サイバービジネスパーク」をプロデュース。99年に故大川功氏のもとでフロントライン・ドット・ジェーピーを立ち上げる。02年から現在のD4DR株式会社代表取締役。経済産業省産業構造審議会委員、青山学院大学大学院EMBA非常勤講師なども歴任。ITによるビジネスや社会システムのイノベーションを発信・提唱し続けている。

藤元健太郎氏
1967年生まれ。野村総合研究所在籍中の93年からインターネットビジネスの調査研究、コンサルティングをスタート。日本初のインターネットビジネス実験モール「サイバービジネスパーク」をプロデュース。99年に故大川功氏のもとでフロントライン・ドット・ジェーピーを立ち上げる。02年から現在のD4DR株式会社代表取締役。経済産業省産業構造審議会委員、青山学院大学大学院EMBA非常勤講師なども歴任。ITによるビジネスや社会システムのイノベーションを発信・提唱し続けている。

生まれてから閉鎖的な個人空間と一部の仲間の世界だけで育てば、公共空間の概念は育たない。電車の中で化粧をしていてもそこは自分のプライベート空間の拡張であり、おふざけの世界も拡大される。そうしたリアル空間で公共の概念が無い人がデジタル空間の公共を認識できるはずもない。

今後ITは様々な公共空間における個人の活動情報を収集できる領域に突入する。我々がしっかりと身につけるべきは新しいデバイスの使い方のリテラシーではない。社会を構成する要素としてのパブリック空間における自分の関わり方や責任、どうやってパブリックを良い環境にしていくべきかという意識である。

これからのパブリックの担い手は行政だけではない。むしろ民間企業や個人の集合体の方が比重は高まるだろう。自分が生活している公共のためにどのような情報が活用されるべきかの側面と、自分のプライバシーを守ることをバランスさせるリテラシー教育が重要な時代になる。

[日経MJ2013年9月27日付]

 「ECの波頭」は最新のEC事情を、専門家が読み解きます。執筆は、D4DR社長の藤元健太郎氏、通販コンサルタントの村山らむね氏、デジタルハリウッド大学教授の三淵啓自氏、アジャイルメディア・ネットワーク社長の徳力基彦氏が持ち回りで担当します。
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