2019年7月24日(水)

ECでヒトハナ咲かせ 進化する花の流通 (藤元健太郎)

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2014/1/31 7:00
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花と電子商取引(EC)の関係は古い。インターネットが普及する前のパソコン通信で花をオンライン販売していた時代から、米国ではフラワーギフトはECの主要な利用シーンであった。ネットによるECが始まった時も成功事例として「1-800 flowers」などが紹介された。同社は現在、ECで500億円弱の売り上げになるらしい。花はギフトの定番であり、商品を確認しなくても花屋を信頼さえできれば注文だけで売買が成り立つ。これが写真による画像確認が難しい時代でも成立した要因だろう。

(1)花とECの関係がスマホの普及などで深まる可能性が出てきた。
(2)花業界がアプリによる生産、小売り、消費者をつなぐ試みを始めた。
(3)コミュニケーションツールとして、花の役割を見直し活用すべきだ。

男性向けにリリースされた「花贈りnavi」

男性向けにリリースされた「花贈りnavi」

現在、国内の花市場は個人向けを中心に低迷している。高齢化社会で葬儀関連の需要が期待できるといわれているが、特徴に乏しい花屋は淘汰されている。スーパーの切り花売り場か個性的な花屋という二極化も進行している。

こうした状況からみても、花のECでは、川上の生産者を巻き込み、生産者にも情報をフィードバックする必要がある。自分達が生産する花がどんな目的でどのように使われているかを知らない農家も多い。魚などと違い、花の目利きは少ない。実際、パソコン画面上で商品の種類や大きさ、出荷時期のデータだけで値段が決まることがまだ当たり前の世界だからだ。

本当の意味で品質やニーズが可視化されて価格に反映される。店舗が品質を理解した上で仕入れることができる。そうなれば日本産の花は付加価値を生み出し、産業としての競争力も高まる。これは花の世界に限らないことだろう。どの業界でも一度はこれまでの中途半端なIT(情報技術)化の弊害を壊し、再創造する段階に来ているのだ。

花業界の挑戦とも言えるひとつの試みがある。先日フラワーバレンタイン推進委員会がリリースした「花贈りnavi」というアプリで、花業界全体でプラットフォームの構築を目指す。男性が花を贈るというニーズとシーンを掘り起こすコンテンツが搭載されている。花屋も特定のチェーンではなく、賛同する全国8500店のデータベースと地図を載せている。ジオフェンス(花屋の近くになるとプッシュ通知で教えてくれる)という、急に花を贈る必要ができた時でも探せるオンライン・ツー・オフライン(O2O)機能も付いている。

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