2019年8月23日(金)

バーチャルグッズ急成長 実社会の価値観にも影響 (三淵啓自)

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2012/11/30付
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三淵啓自デジタルハリウッド大教授

三淵啓自デジタルハリウッド大教授

世界経済の停滞、日本のマイナス成長。その中でも急成長するのがバーチャルグッズ市場だ。北米では2012年度に29億ドル(約2320億円)に達する見込みで、昨年度比3割以上伸びる。バーチャルグッズとは仮想グッズや仮想アイテムとも呼ばれ、仮想空間の中でゲームを有利に進めるためのアイテムやアバターに着せる服などだ。無料でもらえたり、有料で購入したりする。

このバーチャルグッズ市場は70%がアジア・太平洋、20%が北米・南米、10%が欧州・中東で占める。成長の原動力がソーシャルネットワークの広がりと、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)の普及だ。

《ポイント》
(1)世界的な不況下でもバーチャルグッズ市場は急成長している。
(2)ソーシャルゲームの賭博性と自己同一性には注意も必要だ。
(3)仮想グッズが人々の価値観に影響を与える恐れも無視できない。

国内ソーシャルゲーム市場は今年度3400億円を超える見通しで、グリーとディー・エヌ・エー(DeNA)がけん引する。ではソーシャルゲームとはどんな遊びなのか。人気の1つのカードバトルゲームは、カードを集めて対戦したり、イベントで友達と一緒に敵を倒したりする。無料参加もできるが、ゲーム内にガチャポン(お金を入れて、回すとカードが出てくる物)があり、300円入れればランダムにカードが出る。さらにコンプと呼ばれる、数枚のカードのセットをそろえると、レアカードがもらえる。この仕組みが浪費の原因にもつながりやすいのだ。

レアカードや様々なカードがあるとゲームで優位にたてる。しかしレアカードの入手には数万円がかかる。時には10万円以上つぎ込まないと、手に入らないカードもあるようだ。そうしたレアカードはオークションにも出回り、人気ゲームだと1カ月の取引が4億円にも上るという。消費者庁も景品表示法の規制にのっとり動き出した。

それにしてもなぜ人は無形のデジタル情報にお金を払うのか。2つの仮説が成り立つ。

1つはギャンブル性だ。日本のカードゲームの過熱の裏には、オークションサイトなどで入手したカードを売買できる、リアルマネートレードがあったからだと推測される。使ったお金が増える可能性を期待させる賭博性である。リアルマネートレードに関しては違法を指摘する専門家もいるが、ゲームとオークションの運用母体が異なるため明確な規制はない。

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