2019年2月17日(日)

食料・日用品の品不足、供給力は十分 物流混乱など響く
メーカー、増産の動きも

2011/3/16付
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地震直後から、東北などの被災地をはじめ首都圏でも、小売店でコメやトイレットペーパーといった食料品や生活必需品の品薄が目立つ。しかし、多くの商品分野でメーカーなどは「供給能力は十分」とする。需要の急増や被災地に向けた物資の優先供給、物流混乱などが一時的な品不足の要因とみられる。メーカーや流通業は被災地以外での増産や調達体制の見直しなど対応を急いでいる。

電池やカップ麺などの品切れを知らせる商店の張り紙(15日午前、東京都荒川区)

電池やカップ麺などの品切れを知らせる商店の張り紙(15日午前、東京都荒川区)

コメ コメ卸最大手の神明(神戸市)は、「原料米は自社の在庫に加え、他産地から入手可能。精米能力もある」とし、被災地を除けば店頭に順次供給できるとみている。もともとコメは在庫が潤沢で、生産者が卸会社に販売する1月の平均価格は1年前に比べ1割強安い(農林水産省調べ)。卸業者同士の取引価格も地震後も目立った上昇はみられない。

農業協同組合(JA)グループは地震後、宮城県や岩手県など被災地を中心に、国内販売の1割強を占める6道県からのコメ出荷を停止した。ただ、他産地には在庫があり取引業者は平静を保っている。被災地や首都圏などへの供給は青森や秋田、山形、新潟など東日本の他のコメ産地をはじめ、西日本からも輸送できるかを確認しながら対応を急いでいる。

即席麺 日清食品は主力の静岡工場(静岡県焼津市)や滋賀工場(滋賀県栗東市)を中心に即席麺のフル生産に入った。「小売りからの発注が地震前より格段に増えた」(同社)ものの、「カップヌードル」や「どん兵衛」など主力品に絞って集中生産しており、計画した生産数量は確保できているという。15日には関東工場(茨城県取手市)でも停止していた一部生産ラインが復旧した。

パン・水 山崎製パンは11日の地震発生直後から、小売業による菓子パンなどの注文が急増。被災し操業を停止した仙台工場(宮城県柴田町)を除く国内26工場でフル生産している。サントリーホールディングスはミネラルウオーターを製造する白州工場(山梨県北杜市)などをフル稼働している。

紙おむつ・生理用品 花王は国内8工場のうち、紙おむつや生理用品を生産する栃木工場(栃木県市貝町)など4工場で操業が止まっている。だが「通常の需要に対応できる供給能力は確保できている」と話す。衣料用洗剤なども含め数週間分の流通在庫があり、愛媛など西日本の工場からの供給体制も整えている。操業停止中の4工場も一部は週内に生産を再開できる見通しという。

資生堂もシャンプーなどは「十分な在庫がある」。久喜工場(埼玉県久喜市)も中止している操業を2週間程度で再開できる見通しだ。

トイレットペーパー 主な工場は被害を受けていない。メーカーが集中する静岡県では大半の工場が計画停電で設備能力比2割前後の減産は余儀なくされているが、もともと各社は2~3割の過剰設備を抱えている。業界団体の日本家庭紙工業会は「西日本のメーカーは在庫も生産余力もある」とする。

日本製紙グループの日本製紙クレシア(東京・千代田)は京都工場(京都府福知山市)など西日本の工場を中心に家庭紙のフル生産に入った。王子ネピア(東京・中央)は苫小牧(北海道)、名古屋、徳島の国内3工場でフル生産中。「配送手段に支障はあるが在庫も十分。東北方面優先で出荷する」

電池など 日立マクセルは大阪事業所(大阪府茨木市)で14日から乾電池のフル生産を始めた。岩谷産業はカセットガスとコンロの増産準備に入った。

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