2019年6月21日(金)

「ゆるキャラ」が教える著作権管理のツボ (三淵啓自)

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2013/7/19 7:00
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7月4日、パリで開催された「ジャパンエキスポ」に、人気キャラクター「ひこにゃん」(滋賀県彦根市)と「くまモン」(熊本県)が登場した。若者を中心に約21万人が訪れ、ゆるキャラは世界にも広がろうとしている。そこで見逃せなくなってきたのが著作権などの権利関係だ。

《ポイント》
(1)「ゆるキャラ」公募の際には著作権の帰属を明確にすべきだ。
(2)ソーシャルメディアの普及で作品発表の自由度を求める傾向が強まる。
(3)主催者が期間限定で著作権を優先活用する契約が広がりつつある。

ゆるキャラは地方自治体が主体となって公募により創作されるケースが多い。このため権利関係が曖昧になりやすい。それだけに著作物の制作を依頼や公募する場合、著作権の帰属を明確にしておく必要がある。契約で作者から地方自治体に著作権(翻案権など)を譲渡する。作者が自治体の使用に関し著作者人格権(特に同一性保持権)の行使をしない。こうした点がおろそかになると「ひこにゃん事件」になる恐れがある。

ひこにゃんは2007年の「彦根城築城400年祭」のイメージキャラクターとして大阪府のキャラクター作家が考案した。愛称は一般公募で決まった。彦根市などでつくる彦根城築城400年祭実行委員会は原作者側からキャラクター著作権を譲り受ける契約を交わし、委員会は地元企業などに使用料を原則無料にして許可を出していた。400年祭終了後、権利は市に譲渡され、人気上昇とともに、当初想定した作者のイラストにはないぬいぐるみや、グッズが販売されるようになり、同一性保持権の侵害で訴訟に発展した。その後、原作者と市は5年以上の歳月を経て、昨年11月に和解が成立した。

一方「くまモン」は著作権、商標権ともに熊本県が管理する。「熊本県のPRにつながるか、県産品のPR促進につながる」場合は営利、非営利にかかわらず無償で使える。昨年1年間のくまモングッズの売り上げは293億6000万円を超えた。11年の「ゆるキャラグランプリ」で1位となってからは人気が急上昇。商品などの申請許可は8200件を超え、現在も月400件の新規申請がある。

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