サントリー、米「ジムビーム」を160億ドルで買収
サントリーホールディングス(HD)は13日、米ウイスキー大手のビーム社(本社イリノイ州)を総額160億ドル(約1兆6500億円)で買収すると発表した。遅くとも6月までに全発行済み株式を1株あたり83.5ドルで取得する。サントリーのウイスキーなどのスピリッツ(蒸留酒)事業とビーム社をあわせた売上高は43億ドルを超え、世界の高級スピリッツ市場で第3位となる。
ビーム社の株主や規制当局の承認などの手続きが終了後、買収が完了する。米国をはじめとする世界各地でバーボンウイスキー「ジムビーム」「メーカーズマーク」やウイスキー「山崎」「響」「角瓶」などを展開し、グローバルな成長を目指す。ビーム社は引き続き現在の経営陣が指揮を執るとしている。
ビーム社の2012年の売上高は25億ドル(酒税除く)で販売数量は3800万ケース(9リットル換算)。サントリーHDは日本でビーム社の製品を販売し、ビーム社はシンガポールなど東南アジアでサントリーの商品を販売している。
サントリーHDの佐治信忠社長は「世界でも類を見ない強力なポートフォリオを持つスピリッツ事業が誕生する」とコメントした。ビーム社のマット・シャトック最高経営責任者(CEO)は「全世界の販売網の拡大と商品開発力のさらなる強化により、競争優位を築くことができる」と語った。