2019年2月22日(金)

広がる「仮想通貨」経済圏 利用者目線で新たな価値創造へ (三淵啓自)

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2013/6/14 7:00
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米国では仮想通貨の動きがより顕著だ。リンデンラボ社が運用する仮想世界「セカンドライフ」では、仮想貨幣リンデンドルの供給量が安定的に増加し、対USドルの為替もLindeXが運用する。さらに管理体制がない分散型仮想通貨の「ビットコイン」は、今年初めに12ドル程度だった1ビット当たりの換金レートが、4月初旬には240ドルまで急上昇し、現在は100~120ドル台で推移している。

三淵啓自デジタルハリウッド大教授

三淵啓自デジタルハリウッド大教授

ビットコインは09年に誕生した電子マネーで中本哲史氏が考案したとされる。特徴はコインの発行・管理はネット全体でのユーザー間取引でまかなう。偽造や二重取引の監視や認証もユーザー同士でする。取引には数パーセントの手数料がかかるが、それは運用を支えているユーザー間で分配するネット上の革新的な自律分散型仮想通貨だ。毎月500億円以上が取引され、安定した低コストの微少決済を可能にしている。現金への換金はビットコイン取引所で行う。

今年3月、米国財務省事務局の金融犯罪取り締まりネットワーク(FinCEN)は、仮想通貨の規制ガイドラインを発表し、仮想通貨を使用する際は発行および取引所は規制の対象とし、登録を義務付けた。このためビットコイン財団は反対声明を出した。

仮想貨幣と実貨幣は法的には明確に線が引かれている。ただユーザーの視点に立てば、ポイントで何でも手に入る生活ができれば、実貨幣の必要性は低下する。金融危機が起これば、安定した通貨を求めて資金が仮想貨幣に流れ込むことも考えられる。ネットの特性を生かし、仮想経済圏との連動や活用を促すことで情報社会の新しい価値を生み出すことが望まれる。

[日経MJ2013年6月14日付]

 「ECの波頭」は最新のEC事情を、専門家が読み解きます。執筆は、D4DR社長の藤元健太郎氏、通販コンサルタントの村山らむね氏、デジタルハリウッド大学教授の三淵啓自氏、アジャイルメディア・ネットワーク社長の徳力基彦氏が持ち回りで担当します。

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