もう渋谷で迷わない 東急百、アプリで位置情報や優待券

2013/7/14 7:00
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東急百貨店が東京・渋谷の本店、東横店、「渋谷ヒカリエ」にあるシンクスの3店で4月26日に始めたスマートフォン(スマホ)アプリ「東急百貨店アプリ」が好評だ。ダウンロード数は2カ月強で、年間目標1万の4割超にあたる4400に達している。

サービス開始日は渋谷ヒカリエ開業1周年の日に合わせた。ヒカリエのオープンで、渋谷駅は「東急百貨店の社員も迷うくらい」(同社)複雑さを増している。さらに今年3月、東横店は東館を閉鎖し、館内の状況もがらりと変わった。このアプリを使うと位置情報、フロアガイド、チラシの掲載が一目でわかるほか、ユーザーは周辺情報を自由に検索できる。渋谷に戸惑う消費者のちょっとした「転ばぬ先のつえ」の役割を果たしている。来店したその日に使えるフード優待券といったクーポンも入手できるなど、お得感もある。

店舗ごとの一押し商品といった最新情報は、同社が発信する短文投稿サイトのツイッターからの写真を転用している。このため店員はツイッターでつぶやきさえすれば情報が更新され、手間がかからない。できるだけ新たな負荷をかけずに、商品写真や説明を充実させることに知恵を絞ったという。

一方、東急電鉄は3月からスマホ用アプリ「東急線アプリ」の配信を開始した。鉄道運行情報や「東横線・副都心線ご利用ハンドブック」のほか、新たに遅延証明書を取得できる。「東急百貨店アプリ」との共通機能で、よく利用する駅や店舗をそれぞれ3つまで登録すると、関連する情報が優先的に表示されるようになっている。

東急百貨店のアプリは各フロアの地図などが一目で分かる

東急百貨店のアプリは各フロアの地図などが一目で分かる

東急百貨店では「渋谷がホットなうちにサービスを始めないと目立たない」(須崎直哉顧客政策担当課長)として、「東急線アプリ」上で「東急百貨店アプリ」の紹介を依頼するなどして、登録者を増やしている。

サービス内容を拡充するため早速8月から、4桁の暗証番号を入力すると1回限り利用できるクーポンを出す。これまで東急百貨店を一度でも利用したことがある人を、ヘビーユーザーに育てるアイテムとして活用する狙いだ。さらに年代や性別など属性登録を求めるタイプのクーポンも開発し、ターゲットを絞った販促を進めていく。東急電鉄が配信する東急線アプリとも連携し、普段利用する駅や店舗を3種類ずつ登録できる機能を使い、鉄道と店を絡めた集客策を生み出す考えだ。アプリの対象範囲は来期以降、たまプラーザ店(横浜市)などにも広げる。

東急百貨店では旗艦3店が取り込めていない消費者は多いとみている。渋谷に来た瞬間の情報をキャッチする環境を整え、潜在顧客を掘り起こす。

(高橋徹)

[日経MJ2013年7月12日付]

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