吉野家、牛丼「並」常時280円 米産牛肉規制緩和で

2013/4/10付
保存
共有
印刷
その他

吉野家ホールディングス(HD)は10日、牛丼並盛りの価格を18日から常時280円に値下げすると発表した。現行より100円安い。2月の米国産牛肉の輸入規制緩和で仕入れ価格の下落が見込めるためで、同社を含む牛丼チェーン大手3社の通常価格が並ぶことになる。

米国産牛肉の規制緩和を受けて、競合するゼンショーホールディングスの「すき家」と松屋フーズの「松屋」はキャンペーンで並盛りを250円にしており、3社の価格競争はいっそう激しくなる。

吉野家の並盛りの280円は2004年にBSE(牛海綿状脳症)問題で牛丼販売を休止する直前と同額で、キャンペーンを除けば1990年の株式上場以降で最低の価格になる。大盛りは440円(現行は480円)、特盛りは540円(同630円)に値下げする。

規制緩和で米国産牛肉の輸入対象の月齢は「20カ月以下」から「30カ月以下」に広がった。吉野家は牛丼用牛肉のほぼ全量を米国産に頼っており、調達量の拡大や調達価格の下落を見込む。飼育期間が長いため、従来の牛肉より脂身が多くなり品質も高まる。

10日に記者会見した吉野家HDの安部修仁会長は「今回の値下げで当初は来店客数が約3割、売り上げは約2割増える」との見通しを示した。

すき家と松屋の牛丼並盛りの通常価格は280円。両社とも4月中旬までのキャンペーンで250円に引き下げている最中で、吉野家HDは常時値下げの形で迎え撃つ。

価格競争は激しくなっているが、コンビニエンスストアの弁当や総菜などに押されて牛丼の販売は低迷している。大手3社の既存店売上高は3月まで前年割れが続いており、吉野家は6カ月連続でマイナス。

安部会長が「牛丼店の数の急増で飽きられている面もある」と認めるように、大幅値下げの効果で一時的に客数が増えても持続するかは不透明だ。頼みの綱の米国産牛肉は、飼料価格の高騰や円安の影響で調達価格が中長期で下がる保証はない。吉野家HDの値下げ戦略は自社の収益を圧迫する可能性も内包している。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]