2019年7月23日(火)

スマホカード決済1年 個人店、利用拡大の起爆剤へ

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2013/10/16 7:00
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 国内でスマートフォン(スマホ)を利用したクレジットカードの決済サービスが本格的に始まって約1年。従来の決済端末に比べて初期費用や手数料が安いため、飲食店など個人店の利用が広がっている。一方で対応カードがまだ少ないことや、ネットを中心にした営業手法に戸惑う店舗が出るなど課題も見えてきた。加盟店獲得に向け、営業戦略の見直しが迫られている。

スマートフォンに取り付けた楽天のカードリーダーとアプリを使いネイルサロンの決済ができる(東京都渋谷区)

スマートフォンに取り付けた楽天のカードリーダーとアプリを使いネイルサロンの決済ができる(東京都渋谷区)

低コストで導入、衝動買い呼び込む

「これで支払いができるんですか」。東京・青山のブライダルサロン「ピュアネット」でネイル施術を受けた女性(26)は思わず声をあげた。結婚式用ネイルの施術料金は6000円。スマホに取り付けたコイン大の読み取り装置にクレジットカードを通すと、あっという間に決済が完了した。女性は「ネイルのカード決済は初めて。カードのポイントがたまるのでうれしい」と話す。

国内でスマホ決済サービスが広がりつつある。昨年9月の米ペイパルを皮切りに、楽天やベンチャーのコイニー(東京・港)、米最大手のスクエアが相次ぎ参入。これまで約10万円かかった初期費用が無料~1000円程度に、5~7%だった手数料が3%程度に下がり、小店舗、個人事業主も手軽にカード決済ができるようになった。

加盟店の反応はおおむね良好のようだ。靴店のルッチュ(東京・台東)は7月に導入。散歩客が3万円する靴を衝動買いするようにもなり、売上高が7割伸びた。高野山別格本山三宝院(和歌山県高野町)は宿坊の支払い用に使い、飛鷹全法副住職は「高野山は年4万人の外国人観光客が訪れるため、カード対応は評判が良い」と話す。野外に決済端末を持ち運べる点も支持され、ベビーカー販売のGMPインターナショナル(東京・渋谷)は展示会など店舗外の催事でスマホ決済を利用。7月に開かれた野外での音楽祭典「フジロックフェスティバル」でも、売店でスマホ決済が可能になった。大手チェーンでも、ユニクロがユニクロ銀座店(東京・中央)で米スクエアの決済システムを導入した。対象は期間限定で展開する軽量ダウン「ウルトラライトダウン」の専用売り場。こちらは担当の従業員がスマホではなく米アップルのタブレット「iPad(アイパッド)」を持ち、レジに並ばなくてもカード決済できるようにする。

「加盟10万店満たず」、本格普及これから

もっとも、本格的な普及にまでは至っていない。コイニーの佐俣奈緒子社長は「決済端末を置いていない全国で400万~500万店ある中小の個人店がターゲットになる」と試算する。決済サービス各社はいずれも加盟店数を非開示としているが、ある幹部は「4社合計の加盟店数はまだ10万店に満たない」と指摘する。対応カードがVISAやマスターなど種類がまだ少ないことに加えて、ネット上で情報提供するマーケティング方法に戸惑う個人店が少なくないためだ。

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