「松竹梅」なら思わず竹 消費者くすぐる販促の極意

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2013/3/12 7:00
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■「○○%引き」より「ズバリ価格」

フレーミング効果とは、同じ内容の情報や事実であっても、表現の仕方を変えることで、消費者の受け取り方が大きく変わる現象と言い換えることもできる。

例えばセブン―イレブン・ジャパンがよくやる「おにぎり100円均一セール」は、「おにぎり○○%引き」よりも販売促進効果があるという。特におにぎりのような少額な商品では割引率を表示するより「ズバリ価格」が有効だとされる。

日本マクドナルドは「半額」をうたったセールを展開した(2000年当時)

日本マクドナルドは「半額」をうたったセールを展開した(2000年当時)

また割引率の表示でも、歯切れのいい表現の方が効果的だ。1990年代後半から2000年代初めに「半額ハンバーガー」を仕掛けた日本マクドナルドの戦略も同様。当時の藤田田社長が「50%引きより『半額』の方が消費者に響く」と言っていたのを思い出す。

閑古鳥が鳴いていて閉店を余儀なくされた百貨店でも「閉店セール」は常に混雑する。普段はその店をあまり訪れないのに、「百貨店はよい商品を扱っている」という固定的な意識を持つ消費者がおり、「良い商品が処分価格で買える」という期待が膨らむからだ。

宝くじでも行動経済学の知見が生かされる場合がある。「グリーンジャンボ史上最高! 1等・前後賞合わせて5億5000万円!」と銘打って先週まで販売されたグリーンジャンボ宝くじ(予定発行枚数は1億7000万枚)。サイトなどには「億万長者が最大51人誕生」と書かれていたが、「1億円以上の当選確率は約333万分の1」という表現ならどうだろうか。後者のような表現だと、宝くじを買う人は少なくなるかもしれない。

■不合理な心理に消費のヒント

行動経済学は2002年に米国のダニエル・カーネマン博士がノーベル経済学賞を受賞したことで一躍脚光を集めた。心理学の影響を大きく受け、これまでの経済学が常に人間は合理的に行動するとされてきた前提を疑い、時に非合理的な行動をする人間を理解しようとするもの。

今回紹介したフレーミング効果のほか、最初に提示された数字が基準になって、その後の判断(高いか安いか)に影響を及ぼす「アンカリング効果」などが知られている。消費が多様化し、消費者の購買心理をつかむのも難しい時代。こうした消費者の心のクセを理解することが企業間競争に勝ち残る一つの要素なのだろう。

(消費産業部次長 白鳥和生)

「消費を斬る」は原則、毎週火曜日に掲載します。

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