2018年10月21日(日)

「松竹梅」なら思わず竹 消費者くすぐる販促の極意

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2013/3/12 7:00
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なぜかウナギが無性に食べたくなった。うなぎ屋ののれんをくぐって席に着く。メニューをみると、うな重には松、竹、梅とある。もちろん松が最も高く、梅は安い。「さて、どれにしようか」。ほんとうは松が食べたいが、口から出たのは「竹ください」――。そんな経験をした人は多いのではないか。なぜ、人は真ん中を選びがちなのか。消費者の心理を探ってみた。

■選択肢が3つに増えると…

量や品質などで値段が異なる「うな重」

量や品質などで値段が異なる「うな重」

竹を選ぶ人が多いのは、松はぜいたくだけれど、かといって梅を頼むのは何となく格好悪いという心理も働いているかもしれない。また、外食業界に詳しいコンサルタントによると、うなぎ屋などの店側も、「竹」を基準に原価計算してから値段を決める傾向があるという。

これをもっと科学的に探ってみると、参考になるのが米国で行われた実験だ。まず性能が良く、価格も高い順からA、B、Cの順で並べた同一メーカーのカメラ3台を用意。約100人に対し、最初はAとBのいずれかを購入したいかを聞いたところ、半分ずつに回答が分かれた。次にCを加えて3種類の選択肢を設けたら、A22%、B57%、C21%という割合になったという。性能・価格が真ん中のBが過半を占め、まさにうな重の竹を選ぶ人が多いのと同じ結果となった。

■「上幕の内」で売れ行き78%増

これはマーケティングの世界でも盛んに取り上げられるようになった行動経済学で、「フレーミング効果」と呼ばれる現象だ。フレーミングのフレームとは「枠」や「枠組み」を意味し、ある枠組みで意識が固定されると、それを覆すことが難しくなるというものだ。設問の仕方で、意思決定が影響される心理的傾向があるとも言え、A(松)とC(梅)という枠がはめられることで、B(竹)を選んでしまうという訳だ。

「オリジン弁当」を展開するオリジン東秀は昨年9月、1種類だった幕の内弁当を3種類(450円、上490円、特上690円)に増やした。やはり490円の「上幕の内」が一番の売れ筋。フレーミング効果に加え、40円の違いでサケの切り身が乗るお得感や「上」という響きも消費者心理をくすぐり、2月の幕の内弁当の売れ行きは前年同月に比べ78%増と好調だ。

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