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LINE@を使いこなす 欠かせぬ利点の説明、シニアの利用も期待

(村山らむね)

実店舗や自治体向けのメッセージサービス「LINE@」の存在感が増している。利用料は1万ユーザーまでが月額5250円。それを超えると1メッセージ・1ユーザーにつき5円。つまり1回メッセージを出すと5万円を超える。プッシュ型の連絡ツールとして、現時点ではLINEを超えるものがないとすると、妥当な価格といえる。

《ポイント》
(1)LINE@は妥当な価格で利用でき、ユーザーの反応も良い。
(2)ウエルカムメッセージ、ユーザーの集め方、送信時間設定が大切。
(3)LINEの分かりやすさや使いやすさはシニア層にも評価されそう。

集客ツールとして「LINE@」の活用が広がる(東京都渋谷区の店舗内)

サービス開始は昨年12月。現在は飲食やエステサロンの登録が多い。最も登録者数が多いのは東京都渋谷区のファッション店「ANAP」で2万8000ユーザー。送信できるメッセージは大きく分けて2つ。普通のメッセージとLINE内で作成できるPRページへの誘導を目的にしたものだ。

PRページは簡単なページ作成、全員に配布するクーポン、抽選で配布するクーポンの3種類ある。この3種類のPRページは、スマートフォンで見やすいページが簡単にできる上、ホームページを作ったことがない人にも使いやすい画面になっている。

利用してみると反応が良いのに驚く。私が携わる企業では全登録者の5~10%がPRページにアクセスしてくれる。内容によっては20%を超えることもある。企業のウェブサイトへのリンクも可能なので、本文は短いメッセージにして、読ませるコンテンツは別に用意できる。

ここでLINE@を有効活用する手法を紹介しよう。管理画面ではユーザーが登録すると最初に出るウエルカムメッセージがいつでも変更できる。ここにどのような情報が今後手元に届くのか、ユーザーからみたメリットをしっかり書くことだ。「新商品や新メニューで使える割引クーポンをお送りしています」「学割クーポンが毎回好評!しっかりゲットしてくださいね」など、通知のアラームを消さないように、重要なお知らせが来ることを理解してもらうことが大切になる。

村山らむね氏 慶応大学法学部卒。東芝、ネットマーケティングベンチャーを経て、消費者目線のマーケティング支援のスタイルビズ設立。企業のソーシャルメディア運営やeコマース関連のアドバイザーを務める。経済産業省消費経済審議会など各種委員を歴任。ブログ「らむね的通販生活」(http://www.lamune.com)は18年目に突入した。働くママの目線での「ワーキングマザースタイル」(http://www.wmstyle.jp)を主宰。趣味はフラやヨガ、ホームパーティー。ファイナンシャルプランナーとしても家計相談を受け付けている。

 登録が完了するとしばらくして、店内のアイキャッチと店の外に貼り付けるステッカーが送られる。実際に店舗に来てもらうことが目的なら、店内のレジ横にアイキャッチを貼り、ステッカーは営業時間外に店のそばを通りかかる人にも登録してもらえるよう店外に貼るのが良い。

ただ1万人のユーザー数と質にこだわるなら、見込みのない客には登録してもらわない割り切りも必要。実際に来店したり、店のそばを通りかかる人に限るため、メルマガなどではあえて告知しないのも手だ。

例えば居酒屋などで今月の売り上げが厳しいときに、クーポンをすぐ送ることもできる。飲みに行こうとしている人が多い夕方であれば実際に使ってもらえるだろう。瞬時の行動が喚起できるツールなので、送るタイミングの見極めが大切になる。

もちろん制約もある。誰が反応しているのか、個別のユーザー管理はできない。クーポンを使って来店した人に再度アプローチしたいのであれば、客のメールアドレスを改めて登録してもらうなどの工夫も必要だ。あくまでも一方的な告知ツールとして割り切るべきだ。LINE@は1つでも実店舗があれば、アカウントが作成できるので、遠回しであればオンラインショップのマーケティングにも活用できる。

LINEは若年層の普及が目立つが、実は中高生の親世代にも浸透している。私が関わっているビジネスでは中高年女性が客層であるのに、予想していたよりも使い方のトラブルが少ない。思った以上にシニア層もLINEのわかりやすさ、使いやすさを評価しているのかもしれない。

[日経MJ2013年4月12日付]
 「ECの波頭」は最新のEC事情を、専門家が読み解きます。執筆は、D4DR社長の藤元健太郎氏、通販コンサルタントの村山らむね氏、デジタルハリウッド大学教授の三淵啓自氏、アジャイルメディア・ネットワーク社長の徳力基彦氏が持ち回りで担当します。

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