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21世紀のヒット「安・本・単」の法則 日経MJ5000号

21世紀も、はや10年目。デフレなどで個人消費の環境は必ずしも順風満帆ではなかったが、過去9年間の日経MJ「ヒット商品番付」を分析すると、幅広いジャンルで次の時代の定番となる商品が数多く生まれていた。市場拡大の見込みが薄い現代に、新たな市場を創出した商品を生み出したのは企業の創意工夫と努力。その足跡をたどり、日経MJ5000号の発刊を機に現代にヒット商品を生み出す法則を探った。

21世紀は「あんぽんたん」で始まった。日経MJが2001年のヒット商品番付を象徴する3文字として選んだ「安(安さ、安全)」「本(本物志向)」「単(単純明快)」のこと。このキーワードが、2002年以降のヒットの潮流にそのまま当てはまる。各年の番付に登場した商品の多くも、2001年の番付に源流を持っているといえそうだ。(2001年以降のヒット商品番付は次ページ以降参照)

例えば01年の東の横綱「メード・イン・チャイナ」。低価格・高品質の中国製品を代表するのが「ユニクロ」だったが、そのユニクロは08年に再び横綱に返り咲く。そのときには安さだけでなく「本物志向」をも兼ね備え、いまや21世紀の大横綱の風格さえ漂う。

01年の「本物志向」だったのは西の横綱「イチロー」。その後、大リーグ新記録となる9年連続200本安打をマークするなど、活躍ぶりは今も変わらない。イチローに続けとばかりに04年のアテネ五輪では日本人の金メダルラッシュ。その年は「アテネ特需」が横綱となり、薄型テレビDVDレコーダーなど、デジタル家電の普及が急加速した。

残念なのは、それ以降。かつてのお家芸だった携帯音楽プレーヤーでは米国勢に押されっぱなしだ。05年の横綱「iPod&iTunesMusicStore」、07年の前頭筆頭「iPodタッチ」がその典型。第2のイチローの登場が待たれる。

派手さはないが、忘れてならないのは01年の前頭「ADSL」。単純明快にインターネットの接続スピードの「速さ」を打ち出してヒットしたが、その後、定額制の高速ネット通信は急速に広がり、生活スタイルを大きく変えた。

もちろん02年以降にもメジャー級のヒット商品は多い。例えば04年の大関「ななめドラム式洗濯機」。ドラム式普及の火付け役となった。洗濯機の変化によって、洗剤の売れ筋も粉末から液体にシフトしており、09年前頭の液体洗剤「アタックNeo」のヒットにもつながっていく。03年前頭の「サイクロン掃除機」、04年関脇のスチームオーブン「ヘルシオ」は機能性もさることながら、色使いやデザイン性にもすぐれ、見せる「白物家電」の先駆け的な存在にもなった。

こうした粒ぞろいのヒット商品が「景気の芳しくなかったこの10年間に登場したのは必然」というのは電通総研消費の未来研究部の四元正弘部長。バブル期のような消費拡大期にはさほど工夫しなくてもある程度は売れたが、パイが小さくなる消費低迷期は企業努力しないと負け組に転落するからだ。負け組になりかけてもニッチ市場に活路を見いだした企業もあった。

後年、消費関連企業にとって21世紀の初頭は、次の飛躍にもつながる10年だった、と顧みられるのかもしれない。

(詳細は6月4日付日経MJで)

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