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日本株買い、一段と厚み 海外・個人に勢い

日経平均終値1万1000円回復

30日の東京株式市場で日経平均株価の終値が2年9カ月ぶりに1万1000円を超えた。円高修正に伴う企業収益の改善期待に加え、日本株売買の中心である海外投資家が、日本経済の中長期的な変化を見据えて資金を振り向ける動きを拡大。個人投資家が取引を再開する例も相次ぎ、買いが一段と厚みを増してきた。株高は企業や家計などにも恩恵をもたらしそうだ。

衆院解散が決まった昨年11月14日から日経平均は28%上昇し、東京証券取引所第1部の株式時価総額は72兆円(3割弱)増えて327兆円になった。直近の上昇の背景には、海外勢の買い意欲の一段の高まりがある。

英運用会社インベステック・アセット・マネジメントは今年に入り日本株の保有を増やした。昨年までは保有を抑えていたが「円安、輸出回復のシナリオを描いた」(マルチ・アセット運用の責任者、フィリップ・ソウンダーズ氏)という。野村証券ではここに来て、長期運用する欧米投資家の買い注文が活発になった。買いの対象も輸出株から素材や金融、不動産などに広がったという。

海外勢はデフレと円高に苦しむ日本への株式投資を控えてきたが、政権交代後「企業活動や経済成長を志向する自民党の政策への理解が浸透し日本株が再評価された」(高田創みずほ総合研究所チーフエコノミスト)。海外勢は1月18日までの10週間で日本株を2兆7500億円買い越した。10週間の買越額としては2007年以来の規模だ。

個人投資家が取引を新たに始めたり再開したりする動きも拡大。ネット証券のカブドットコム証券では、1月の新規口座開設数が12月1カ月間の2倍に迫る。主なネット証券の口座のうち実際に取引のある口座の割合は12月に10カ月ぶりの水準に回復した。コールセンターに問い合わせが殺到し30分待ちの例もある。

東証1部の取引も増えている。30日の売買代金は2兆円に迫り、1月の月間では東日本大震災があった11年3月以来の水準だ。活況を受け、東証と大証が合併して発足した日本取引所グループは30日、13年3月期の連結純利益見通しを70億円から95億円に引き上げた。

現在の株価は、国内主要生命保険の9社すべてで保有株の含み損が解消する水準。このまま3月末を迎えれば企業年金の12年度の運用利回りは5%程度のプラスとの試算もある。「株高で春先には消費にも好影響を及ぼすだろう」(高島屋の鈴木弘治社長)との声も出始めた。第一生命経済研究所の試算では、昨年11月中旬からの株高効果で13年の個人消費を約1.1兆円押し上げる。

08年9月のリーマン・ショック直前と比べ米独株は2割ほど高い水準にある半面、日本株は1割ほど低い。短期的には売りも出やすいとの声はあるものの「日経平均は年央に1万3000円を目指す」(BNPパリバ証券)との見方も多い。

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