中国不振が建機直撃 コマツ営業減益、現地最大手も
7~9月、依存度低い米キャタピラー増益

2012/10/30付
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中国景気の減速が建設機械大手の業績を圧迫している。コマツが30日発表した2012年7~9月期の連結営業利益(米国会計基準)は、前年同期比14%減の555億円だった。建機の中国売上高が4割強減った。中国最大手の三一重工は同期に7割近い減益となった一方、中国依存が低い米キャタピラーは5割近い増益を確保した。鉱山機械など安定した収益源の規模も業績動向を左右している。

建機大手の連結業績(7~9月)
売上高営業
利益
コマツ4,609
(▲6)
555
(▲14)
日立建機1,762
(▲7)
76
(▲37)
キャタピラー
(米)
13,057
(5)
2,061
(48)
三一重工
(中)
1,137
(▲18)
90
(▲66)

(注)単位億円、カッコ内は前年同期比増減率%、▲はマイナス。30日時点の為替レートで換算

コマツの7~9月期の売上高は6%減の4609億円だった。中国の売上高は217億円と44%減った。インドネシアの鉱山機械が不調だったアジアも、524億円と35%落ち込んだ。

中国ではインフラ工事の伸び悩みで建機需要が急減している。ただ、コマツの7~9月期の建機・車両部門の売上高に占める中国の比率は5%と、前年同期(9%)の半分近くまで下がった。オセアニアや中南米向けが40%強伸びており、中国需要が業績を揺さぶる度合いは低下している。

日立建機の7~9月期の営業利益は76億円と37%減った。売上高の中国依存は8%と、前年同期(13%)に比べ低下したもののコマツより高い。

売上高の中国依存度が高い企業は苦戦が目立つ。売上高の90%前後を中国で稼ぐ三一重工の営業利益は66%減の7億1125万元(約90億円)と急減した。

三一重工は昨年、油圧ショベルの販売台数でコマツを上回り中国市場でシェア首位に躍り出た。ただ、足元で中国勢は過剰な在庫や売掛金を抱えているとみられる。安値攻勢に出ているといわれ、収益を圧迫している。

業界推計では中国の建機市場(油圧ショベルなど7機種、外資系のみ)は12年度に5万台を下回る見通し。ピークだった10年度の半分以下だ。

好調を維持したのは世界最大手の米キャタピラーだ。7~9月期の営業利益は25億9600万ドル(約2061億円)と48%伸びた。中国の減速でアジア・パシフィックの建機売上高は18%減ったが、北米の建機売上高が23%増と好調だった。

キャタピラーの好業績の要因には鉱山機械の寄与もある。7~9月期の鉱山機械の売上高は52億1400万ドルと13%増加。連結売上高に占める比率も32%に達し、建機(30%)を上回る。鉱山機械はインドネシアなど一部で需要が減少しているが、世界全体では需要拡大が続いている。

コマツも7~9月期の鉱山機械の売上高は20%増の1633億円と好調だった。オーストラリアの鉄鉱石向け、中南米の銅向けの販売が伸びた。連結売上高に占める鉱山機械の比率は35%とキャタピラーより高い。

鉱山機械の通期の売上高は前期比13%増の6240億円と、安定成長を見込む。コマツの野路国夫社長は「足元で受注のキャンセルは収束しており、今期の鉱山機械の売上高目標は達成できる」との見方を示した。

一方、日立建機は鉱山機械の比率が4~9月期で22%にとどまり、コマツとキャタピラーに見劣りする。鉱山機械事業の強化が課題となる。

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