日本の株安・通貨高、世界で突出 負の連鎖止まらず
10年度上期 企業競争力に影

2010/10/1付
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日本の株安・通貨高が世界の中で突出している。2010年度上期(4~9月)は、日経平均株価が16%安と主要市場で最大の下げとなった。通貨の総合的な価値を示す実効為替レートで見て、円は世界主要通貨で最も上昇した。円高が輸出企業の業績悪化や競争力の低下につながるとの懸念から、株安が加速する連鎖が鮮明だ。政府・日銀は為替介入に乗り出しているが、米景気の減速観測を背景に、下期以降も円高・株安の流れが続くとの見方は多い。

30日の東京株式市場で、日経平均株価は9369円35銭で取引を終了した。3月末比で1700円超の下落で、半期ベースで下げたのは、米リーマン・ショックの影響が深刻化した08年度下期(28%安)以来だ。欧米の景気減速懸念に加えて、円高が重荷となった。

今年度上期は商いも低調で、投資家の株離れが鮮明。東京証券取引所第1部の売買代金は164兆6千億円で、上期としては04年度(151兆2千億円)以来の少なさだった。

日経平均の下落率は中国・上海市場を上回り世界の主要市場で最大だ。5月から欧州の財政問題が深刻化したうえ、夏以降、米国の景気減速懸念が強まり、輸出関連株が主力の日本株は影響が大きかった。

さらに、円高進行で電気機器、自動車など輸出株の採算悪化懸念が膨らんだ。普天間基地移設問題の迷走で、6月に鳩山由紀夫氏が首相を辞任。7月の参院選で民主党が敗北するなど、政治の先行き不透明感を誘う材料も重荷になった。

今年度上期の外国為替市場では、円相場は対ドルで1ドル=93円台から83円台へと上昇、他の通貨に対しても全面高だった。欧米経済への不安から投資マネーは消去法で円に流入。政府・日銀は9月15日に6年半ぶりの円売り介入に踏み切ったが、今後も円高傾向が根強いとの見方が多い。

通貨の総合的な価値を示す実効為替レート(日経通貨インデックス)で上半期の主要9通貨の騰落率をみると、最も上昇したのは円で9.4%上昇。スイスフランが7.2%高で続いた。一方、最も下落したのは韓国ウォンで3.4%安。ドル、ユーロもそれぞれ1%台の下落となった。

株安と円高が同時進行した日本は、通貨安が株価を支えた韓国などとは対照的な動きだった。市場では下期は日経平均は9000~1万円前後で膠着(こうちゃく)するとの予想が目立つ。「財政政策や円売り介入の実効性が伴わなければ、上値は重い」(UBS証券の平川昇二チーフストラテジスト)との声も聞かれる。

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