東証、四半期開示の目安「30日以内」を廃止 6月にも改正
東京証券取引所は、期末後30日以内としている四半期決算の開示期限の目安を今夏にも取りやめる見通しとなった。実務家や学者による専門部会が24日、開示の見直しに関する報告書を提出。東証は6月にも上場ルールを改正する。
東証は今後、一般からの意見募集を経て詳細を詰める。四半期開示を巡っては法律上、45日以内となっているが、東証は08年4月、30日以内が望ましいとして企業に要請していた。この現行制度に対し、東証の上場制度整備懇談会ディスクロージャー部会(座長・早大大学院の黒沼悦郎教授)が報告書で「過度の負担が生じる」と指摘した。
開示の内容も見直す。従来は財務内容や業績予想などを表にまとめた決算短信、業績の説明、貸借対照表と損益計算書を必須とし、加えて「重要性に応じて」との位置づけでキャッシュフロー計算書とセグメント情報の開示を促していた。見直し後は短信を「最低限」、貸借対照表、損益計算書を「必須」としたうえで、それ以外の情報の開示は企業の判断に委ねる見通しだ。
10年3月期から国際会計基準(IFRS)の早期適用が可能になることにも対応する。報告書は短信に包括利益の実績値を明記するよう求めた。
また、2期連続の債務超過で上場廃止となる基準について、当面IFRS適用の影響は除いて判断するよう提言した。廃止基準自体の見直しも検討課題とした。