富士急株が急騰、世界遺産登録で「富士山銘柄」買い
国連教育科学文化機関(ユネスコ)が富士山の世界文化遺産への登録を正式決定したのを受け、24日の東京株式市場では関連銘柄の売買が膨らんだ。富士山を訪れる観光客が増えるとの見方から、周辺でレジャー施設を運営する富士急行株が年初来高値を更新。宿泊予約サイトやアウトドア用品店を運営する企業の株も買われた。
富士急株は朝方に前週末比8%高の1289円と、一時、23年ぶりの高値を付けた。富士山麓までの鉄道やバスなどを運行するほか、山梨県でレジャー施設「富士急ハイランド」を運営する。ただ、先週も週間で14%高と急騰しており、買い一巡後は材料出尽くし感から下げに転じた。
旅行や登山関連株もにぎわった。東海旅客鉄道は一時3%高と約3週間ぶりの高値を回復。旅行会社のKNT-CTホールディングスや宿泊予約サイトの一休も、富士山周辺の旅館予約が増えるとの思惑から急騰する場面があった。アウトドア用品を販売するヒマラヤも一時8%高となった。
市場では「世界遺産登録を契機に関連ビジネスが盛り上がり、収益押し上げ効果が出てくれば息の長い買いが入りそう」(岡三証券の石黒英之日本株式戦略グループ長)との声があった。