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東電、震災特損1兆200億円 事故対応や廃炉費用など

11年3月期、最終赤字1兆2473億円

東京電力が20日発表した2011年3月期の連結決算は、最終損益が1兆2473億円の赤字に転落した。福島第1原子力発電所の事故処理などに伴う震災特別損失が1兆円強に達し、金融機関を除く日本企業で過去最大の赤字となった。事故の責任を取って清水正孝社長(66)が顧問に退き、西沢俊夫常務(60)が6月28日に社長に昇格する。勝俣恒久会長(71)は当面、留任する。

東電は20日、6000億円以上の資産売却と5000億円以上の費用削減を柱とするリストラ計画も発表した。トップ交代と1兆1000億円規模の合理化が決まったことで、政府の損害賠償(補償)支援も具体化に向け動き出すが、経営の前途はなお多難だ。

赤字の大半を占める震災特損は、福島第1原発の原子炉冷却や廃炉費用など合計1兆204億円。繰り延べ税金資産も取り崩した。前期の売上高は7%増の5兆3685億円、経常利益は55%増の3176億円だった。

決算発表の席上、財務担当の武井優副社長は「現時点で見積もれる費用は最大限盛り込んだ」と強調。5000億円のコスト削減計画について「踏み込んだリストラ策」(外国証券アナリスト)と評価する声もある。

問題は補償費用だ。「算定できない」という理由で前期決算に計上しなかったが、12年3月期から発生する補償などの負担は数兆円とみられる。これをどう捻出するか。

収入増の切り札である電気料金の引き上げは「現時点では考えていない」と次期社長の西沢常務は述べた。「まずは徹底的にコストダウンをしていく」(西沢氏)という。一方で今期は、燃料費が7000億円増えるなどのコスト圧迫要因が発生する。経常損益段階から赤字になるとの予想もある。

資金繰りも厳しさを増す。事故による信用力低下で、東電は社債など市場からの調達ができない。12年3月期は社債と長期借入金の返済に7500億円、復旧費用や燃料費を合わせ総額2兆円が必要。金融機関の全面支援が欠かせない。前期の大幅赤字で資本基盤も弱まり、自己資本は1兆5581億円と前の期に比べ4割近く減った。

社長に就任する西沢常務は、経営計画の立案や経済産業省との窓口役を担う企画担当。原発事故後も政府による補償支援の枠組みづくりなどにかかわってきた。勝俣氏と西沢氏が中心になって経営再建に取り組む。

東電は勝俣、清水両氏を含む経営陣の大幅刷新を検討してきた。しかし事故や夏場の電力不足の対応を迫られるなか、経営陣の一斉交代は社内の混乱を招くと判断。清水氏が6月の株主総会で顧問に退き、勝俣氏は事故収束のめどが立った段階で辞任する見通しだ。

清水氏は現在、被災者支援の責任者を務めているが、原発事故後に体調不良で入院して経営の第一線を離れたこともあり、批判を浴びた。

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