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電機、選択と集中のスピードで差 決算で明暗鮮明

産業用機器など重電各社が堅調な業績を確保した半面、家電大手が大幅赤字になるなど明暗が分かれている。不採算事業から撤退する一方、それに代わる安定収益源を育成する「選択と集中」を進めたかどうかが差を分けており、日立製作所とソニーはその象徴だ。

製造業として過去最大の赤字――。日立製作所が7873億円もの最終赤字に陥ったのはリーマン・ショック後の09年3月期。当時、先行き不安もささやかれた日立の復活劇はここから始まる。

骨子はデジタル家電など弱点の部門を「非中核事業」として遠ざけながら、経営資源を安定性の高い社会インフラに集中したことだ。薄型テレビの基幹部品のプラズマパネルの製造中止に伴い、国内唯一の生産拠点だった宮崎県内の工場も売却するなど、リストラを断行。上場子会社だった日立プラントテクノロジーを完全子会社化するなど戦略的に安定収益源を育成した。

日立と同様、堅調な業績をあげた東芝や三菱電機も東芝の場合は電力向け設備、三菱電はファクトリーオートメーション(FA)機器といったように部門営業利益が全体の4~6割を稼ぎ出す安定収益源を持つ。

大幅な赤字を計上したソニーやシャープなど家電各社が本格的な合理化に着手したのは前期から。ソニーなどはリーマン後も主力のテレビ事業の拡大路線を修正しなかった。パネルから自社で内製する垂直統合方式へのこだわりも改革の遅れにつながった。

ようやく前期にソニーは「販売台数を追わずに収益性を重視する戦略に転換」(加藤優CFO)。足かせとなっていたパネル製造の合弁会社を600億円の損失を出して売却した。日立に比べて3年遅れで本格的な構造改革が始まった形だ。

ソニーは15年3月期にテレビ以外の携帯電話、デジタルカメラ、ゲームの3事業でエレクトロニクス部門の営業利益の85%(2550億円以上)を稼ぐ青写真を描く。パナソニックも住宅関連や電池などに経営資源を集中して収益力を立て直す。各社が数年後に現在の日立のような収益構造を築けるか。改革の進捗を市場は注視している。

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