電機8社、純利益リーマン前の1.4倍 4~9月
東芝、278億円の黒字に
電機大手の業績が急回復し、リーマン・ショック前の水準を上回った。9日出そろった大手8社の2010年4~9月期の連結純利益の合計額は08年4~9月期の1.4倍に達した。リストラで利益が出やすくなったところに家電エコポイントや新興国需要が追い風となり、回復ピッチを速めている。
全産業(983社)の4~9月期の純利益はリーマン前の95%、自動車大手7社は98%の水準。電機大手が全体の業績改善をけん引する構図が鮮明だ。
東芝が9日発表した10年4~9月期決算は、連結最終損益が278億円の黒字(前年同期は577億円の赤字)と3期ぶりの黒字に転換した。半導体や中小型液晶パネルの回復が支えた。
これで大手8社の最終損益の合計は約4000億円の黒字となり、前年同期の約3500億円の赤字から大幅に改善した。各社は08年秋のリーマン・ショック後に大がかりなリストラを進め、東芝は研究開発費など固定費を前期の1年間で4300億円削減。ソニーもテレビ事業などの生産拠点を集約した。
そこに新興国需要が上向き利益を押し上げた。日立製作所や三菱電機は中国向けなどに生産装置の販売が好調。新興国の自動車増産で関連する部品・部材も伸びた。国内では、エコポイント効果と猛暑でパナソニックなどのテレビ、エアコンの販売台数が増えた。
10年4~9月期の純利益がリーマン前を超えたのは日立、東芝、富士通、ソニー。国内企業の設備投資の回復は鈍く、業績の回復度合いに格差も出ている。
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